前日のノマドカフェから変わって、本日は午前中から、コワーキングスペースに。
ここ数年で一気に増えたけれど、老舗に伺う。
監督が来るまでの間、オーナーと二人で話をする。
自身もプログラマーであり、とても、スマートな方だった。
おいしい濃い目のコーヒーを頂き、監督が来るまでの間にセッティング。
持ち込みのノートPCに、設置してあるモニタを接続する。
持ち込みの液晶ディスプレイとノートのディスプレイ合わせて3画面。
わりと、映像編集においては贅沢じゃないだろうか?
基本的には2画面以上がやりやすいと言われるけれど・・・。
エフェクトなど殆どかけない分、グラフィックボードのリソースが、出力に使えるのも大きい。
様々な人が集まり、仕事をする場所でも映像編集は珍しかったようで。
途中で、写真撮影していいですか?なんて聞かれた。
3画面の前で、監督とエディターが、モニタを睨んでいる後ろからの構図。
確かにちょっとおもしろい写真かもしれないなぁ。
後ろに人がいたら、どんな映画かわかるのだろうか?
まぁ、音声が小さいし、何度も巻き戻したりしているから、ちょっとわからないかもしれない。
今日は時間もあったから、前日のチェックから始めたけれど、前日の倍ぐらいは進む。
シーン数でいえば、4シーン進んだのだから、早いのか遅いのか。
ただ、監督もおいらも明らかに前日よりも音などの環境の良さもあって、慣れてきた。
一つのシーンに至っては2カメのアングルのスイッチングのような編集だけで済んだ。
同じ芝居を二方向で撮影しているから、切り替えも容易。
同じ芝居を2回やってくれと言われても、役者ってそんなに簡単な生き物じゃないのがわかる。
座りながらのセリフなんかは、まったく腰の高さとセリフの位置が毎回違ったりする。
そうなると、そこでは繋げない。さて、どうしようか・・・がはじまる。
ただ、前日は、そこでどうしようか考えていたのが、2日目になると、じゃあ、前のあの動きかなぁ?とかになる。
面白いのは、監督と微妙にシンクロも始まってきたことだ。
映画を観ていても気づかないような部分かもしれないけれど、役者の視線の動きがあって、こっち見てからだなぁ。とか。
その辺で、監督が指示するであろうカットポイントが、だいぶ、事前にわかるようになってきた。
そりゃそうだ。おいらは、この人の演出を18年されて、見てきているのだから。
感性も見せたいものも、やっぱり、そこだけはプロのエディターよりもアドバンテージがある。
見せたい芝居、変えたいタイミング、見せたくない芝居。
そういうのが、わかってくれば、編集も早くなっていく。
思わず映像を見て噴き出すポイントなんかも、シンクロしていく。
まぁ、違う笑いポイントももちろん多数あって、そういうのも面白いのだけれど。
相変わらずろくに食事もとらないで、結局、そこに10時間も滞在した。
帰宅してから食事を取ったら、もう、がっつりと眠っていた。
なんだかなぁ。
起きて、届いていた荷物を開いて、監督用のコントローラーをプリセットする。
これで、おいらがトイレに立っても、監督がチェックぐらいは出来るし、編集点を探すぐらいは出来る。
コントローラーは感性で扱えるから、マウスやキーボードとは全く感覚が違う。
ショートカットキーなどもマスターすれば云々の人もいるけれど、そういうことじゃないと思うな。
もっと、アナログな感覚的な編集が出来るようになるツールなんだって思う。
プリセットを確認するためにも、今日の編集の整理作業を深夜に開始した。
音がずれていたり、重なりすぎていたり。
普通のカット編集だけしているのに、いつの間にかトランジョンが乗っていたり??
なんでやねんな最後のお疲れ作業の直しをしてみる。
ついでにコントローラーも触りながらの作業。
ちょっと面倒だなぁと思って、サブディスプレイは出していないけれど、やはり作業効率が上がる。
監督なんかDJ経験もあるから、すぐに使いこなすだろうなぁという予感がする。
基本的に、素材が音か映像かの違いだけで、人間の指で扱えるものなんて、そうそう変わらないからだ。
本当は、帰宅してすぐに、バックアップも考えていた。
BU用のHDDが届いている。
でも、どうせ残すなら今日までの編集をまとめてからだなぁなんて考えていたら。
すっかり、こんな時間になっている。
合わせて、今日は何時間編集していたのだろう?
すごい時代になったもんだ。
だって、おいらのバッグは、モバイルスタジオなんだぜ?
コンセントがさせれば、そこがどこであろうと、スタジオになっちゃう。
こんなこと何年か前なら想像もできなかったんじゃないかなぁ。
少なくても、モバイルには程遠い重いノートだったんじゃないか。
3画面に出力できるモバイルノートなんて、ちょっと信じられなかったもの。
このPCは、実はモバイルワークステーションのゲームPC版だ。
まぁ、ゲームなんかしないんだけど、3Dゲームがサクサク動くグラフィックボードが入ってる。
だから、実は、このPCで3DCGを追加できるし、書き出しまでやれる。
そこまではしないとしても、そこまで出来るスペックがある。
なんだったら、映画館に持ち込む最終形であるDCPも書き出し出来るらしい。やらないけれど。
バッグ一つの中に、スタジオが入るなんて、とても信じられない。
数年前の何億もするようなスタジオルームと出来ることだけでみれば大差ないのだ。
まぁ、操作性とか、ハードディスクの親和性とかネットワークとかはないとしてもさ。
おいらのモバイルスタジオ。
このカバンの中には、何が入っているんだろう?
中を覗いたら、PCとモニタとヘッドホンとマウスとコード類が入ってる。
それに一冊、アプリケーションの本が入っていて、シナリオも入ってる。
そして、そのわきに、飴玉が入ってる。
疲れたら、飴ちゃんを舐めながら作業するようにしてるんだぁ。
まぁ、まだ撮影が残っているからノンシュガーだし、血糖値が上がらないから脳になんか作用しないけど。
作用しなくてもいいんだよ、気分だからさ。
もうカバンには何も入ってないかなぁ?
カバンの中も、机の中も、探したけれど、もう夢なんかみつからない。
とっくに、夢の中にいるから。
夢の中にいれば、もうそれは夢じゃない。
圧倒的にな現実だ。
うふふ。さあ。
とっくに、おいらは、踊っている。
飴玉を転がしながら。
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