2016年11月18日

編集前夜

今週末から編集に入りましょうと監督と連絡を取っていたのだけれど。
少しでも早く始めた方が良いと連絡があり、明日の夜から編集開始になった。
前日までにフォルダ分けが終わっていて良かった。
それが終わってなかったら、とってもとっても、冷や汗をかいていたかもしれない。
カメラのタイムコードはメインカメラだけでも8時間を優に超えている。
それに加えて、サブカメラの撮影データまである。
1分もないカットもあって、この時間なのだから、2日で整理が終わったのは悪いペースではない。

それにしても、1日、早くなったので、監督との編集に備えて、色々と準備する。
まずは、サブモニタの確認だ。
撮影に入る前に、稽古場で一眼レフで映像の芝居の稽古をしては、皆でモニタチェックをしていた。
そのモニタを直接、自分のPCに繋いでみる。
VGA端子とHDMI、どちらからも接続が可能だけど、ワンタッチでケーブルもあったのでHDMIで。
最初、接触が悪かったけれど、差しなおしたら、綺麗にサブモニタになった。
サブモニタの設定をPC側にして、アプリケーションのPremiere PRO CCの再生もサブモニタにする。
アプリケーションから、映像の再生をかけると、見事にフルHDでの再生がサブモニタに映し出された。
今までは稽古場で芝居のチェックをしていたモニタが、まさか、編集でも使用されるなんて誰も知らないだろうけれど。
実は、その可能性があると思って、製品を選んでおいた。
もちろん、最高性能のモノではないけれど、PCに繋げてフルHDまで領域があって、持ち運びが楽なものだ。
このモニタは、映像チェック用だけではないのだ。
実は、モニタチェックや編集だけじゃなくて、舞台本番時も使えるように選んである。
なるべく万能のモノにしてあったのだ。

昨日までサブモニタなしで、映像の振り分けをしていたわけだけれど、モニタが増えるだけでこんなに快適とは。
一つの画面の中に、シーケンサーと映像と、フォルダがひしめき合っているわけだけれど。
小さなモニタでの確認はやっぱり、少なくないストレスだったようだ。
再生出力モニタがあるだけで、高効率になるというのを実感した。
色領域も少なくてもPCのモニタよりも優秀に感じる。
現場でチェックしていたモニタにかなり近い映像の感覚がある。
こんなことなら、撮影時にサブカメラの出力を出してもらえばよかったかもしれない。

それと、課題だったバックアップだ。
預かった外付けHDDを編集に持っていくのは少し問題があると思った。
そもそも据え置きタイプで耐衝撃ではないし、これがどうかなってしまったら、またマスターを取りに行く羽目になる。
だから預かった外付けHDDは、おいらの編集におけるマスタとした方が良いと思った。
それで、映像編集に耐えられるスピードで、かつ、格安の内臓HDDをネット購入しておいた。
これに、予備データをバックアップして置く予定だけど、それが届く予定が明日。
週末からだと思っていたから、購入のタイミングが少しずれてしまった。
さて、どうしよう。我が家のマスタを持って編集に出かけるのは余りにも不安だなぁと思っていたのだけれど。
灯台下暗しというやつだ。決定的なHDDがあった。
それは、実際に編集に使っているノートPCに内蔵しているHDDのデータ側だ。
おいらのPCはOSの入っているSDDと、データ用のHDDを内蔵してあるんだった。
すぐにデータ量とHDDの空きを確認して、それが可能なことが分かった。
マスタの外付けHDDから、全てのデータを内蔵HDDにコピーする。
USB3.0は、かつてを思えば異常に早いと思っていたけれど、流石に内蔵HDDには敵わない。
色調整もエフェクトもかけないなら、ネイティブのまま、普通に再生できるだけのスピードがある。
しかも、編集に行くときに、PCさえ持っていれば、とりあえずは済むのだ。
大きめの内臓データHDDを積載しているってこういうことなのか・・・とため息。
もちろん、だからと言って、バックアップを怠るわけではない。
届き次第、クローンの作成もしていくことになる。

とりあえず今できるハードウェアな準備は済んだ。
あとは入力機器、コントローラを監督が触れるような状態にしたいなぁと思うけれど、それはまだ先だ。

シーケンサーに、撮影データを並べて置く。
・・・とは言え、前半の15~20分程度になるであろう箇所までのOKカットのみだ。
余りたくさん貼り付けておいても、それはそれで、作業が重くなりかねない。
まずは編集初日と二日目、明日明後日で、どんな流れでどこまで進むかを見てからだろう。
きっと、監督やエディターによって、やり方はそれぞれ違う。

一番想定できるのは、まずは細かい部分にはこだわらずに粗い編集をしていくという流れだ。
切り株から彫刻を作るのに似ている。
チェーンソーで無駄な部分を削り取りながら、少しずつ完成形に近づけていくという流れだ。
頭からどんどん、撮影データを並べていけば、かなりの所まではかどるだろう。
プロのエディターに頼んだら、ここの部分だけはどうしても、おいらの方が早いはずだ。
なぜなら、シナリオを読み込んでいるし、どこでどんなショットを挟みたいかも事前に知っているからだ。
本当はそこまでやっておいて、監督と合流しようと思っていたのだけど・・・
監督は、もう最初の最初の並べるところからやると言っている。
そういうことなら、下手に並べておくよりも、ネイティブなままいつでも取り出せる状態にしておくのがベストだ。

ただ、時々、別の流れで作る人もいる。
それは、目から書いていくような絵画にも似ている。
つまり、最初からディティールにこだわって編集していくやり方だ。
頭の中で映像が出来上がっている人はこれも可能だ。
細かい部分まで、順番に頭のシーンからクリエイトしていく。
もちろん、全体が出来たら、流して観て、違和感を取り除いたりもしていくだろうけれど。
もう、最初のシーンからある程度追い込んでやっていくやり方もあるだろう。
それこそ、テレビドラマなんかは時間との戦いだし、撮影しながらの編集だから、そういうこともあるだろう。
それに、この流れでやれば、最初の2~3シーンで映画全体のテンポや流れを決められる。
最初に基準が出来れば、どこが重たいか、どこが遅いか、わかりやすくなる。
だから、このやり方はやり方で、早いのだ。
最初に最後まで全体感がわかるのは前述のやり方だけど、このやり方なら全体感がより濃くなってくる。

監督がどっちのやり方を想定して、明日からの編集を希望したのかはわからない。
どっちにも対応できるように準備しておくしかない。
何度か編集の流れを確認したけれど、結局、ちょっとわからなかった。
全体のことを言っていたり、ディティールのことを言っていたり。
とにかく、おいらはエディターとしては未熟だから、準備だけはしっかりしたいのだけれど。
恐らく、監督の頭の中では、全然別の問題点や編集点があるわけで、やってみるしかないのだろうなぁ。
いきなり、ラストシーンから作っちゃおう!と言われてもおかしくないのだ。
まぁ、とにかく、監督の思う映像に少しでも近づけるならそれで良い。

さて、このBLOGを書き終わったら、モバイルな状況を作ろう。
なるべく一つのバッグに必要なものをすべて入れて置けるようにしたはずだ。
作業が遅いとか、センスがないなぁとか。たくさん言われるだろう覚悟も一緒にバッグに入れておこう。

でもね。
監督とおいらでエディットする映画なんて。
本当、10年越しに、こんなことが起きるんだな。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:25| Comment(0) | そして編集へ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする