11月の前半は、おいらにとっては、とても重要な時期だ。
自分に大きな影響を与えてくれた人達の命日が続くからだ。
父、師匠、そして15日に龍馬さんの命日。
今年もこの期間が過ぎたななんて考えた夕方過ぎにメールが届いた。
撮影データの取り込みが終わったという連絡だった。
もちろん、バックアップはすでに取ってある。
宅急便でも送れますとのメールだったけれど、やはり記録媒体の郵送は少し気がかりだった。
何時までなら受け取れるか確認をして、夜間だけど、直接受け取りに行った。
大事な大事な宝物。
一年かけて、積み上げて、たくさんの人たちの思いが詰まった撮影データ。
音声データはまだ入っていないけれど、セット撮影の映像がすべてここに入っている。
どのような形で入っているのかまではわからない。
XMLという形式で、取り込みをしてみないとわからないと思っていたら、Premiereのデータを用意してあるという。
Windowsでの認識も既にチェック済みだった。
おいらは、この宝物を胸に抱えて、満員電車に乗った。
鮨詰めの電車内。
胸に抱えて。
これは、宝物なんだ。
そんなに押さないでくれよ。
そんなことばっかり考えていた。
帰宅して、自宅PCに接続してから、ファイルを開いてみる。
バージョンが違ったようで、最初に簡単な変換が入る。
タイムラインに並んだ映像を確認すると、撮影順に並べてあった。
最初から観れば、全てのデータを確認できるだろう。
でも、何時間あるだろうね。
そんなことをすれば寝れなくなってしまう。
もちろん、自分の登場シーンのOKテイクを全部確認したい衝動に襲われた。
でも、そんな時間もない。
編集が始められるための準備を少しでも早めに始めないといけない。
ビンと呼ばれるフォルダを作成して、シーンごとにまとめていく。
順撮りではないから、当然、シーンは飛ぶ。
それどころか、交互に別のシーンを撮影している場合もある。
同じシーンを別カットで別日というのも当然ある。
全ての映像の冒頭だけを確認して、フォルダ分けしていく。
膨大なファイル量。
膨大な録画時間。
迷子になる前に、地図を作る作業だ。
おいらとしては、今週の半ばまでに、シーンごとに振り分けるところまではやりたい。
そのあと、今度は、ノートを一冊作成するつもりだ。
各シーンごとに、どんなカットがあるか、紙に書いておくのだ。
エクセルで作ったほうが早いかなぁ・・・。
まだちょっと迷っているけれど。
単語帳でも買ってきて、全部書き出そうかな?
そうすれば、リングを外して、並び替えたりもできる。
とにかく、監督と編集作業に入る前に。
どこにどんな映像があるのか、全て把握したいと思っている。
一般的には長いとされるような数分のカットも多い。
これを全て観るとなると、時間なんか何時間あっても足りないだろう。
ただ、当たり前だけれど。
シナリオを何度も読み込んで、香盤表を何度も作ったおかげで。
sceneの冒頭を観れば、それがどのシーンなのかすぐにわかる。
カチンコの文字を観なくても、助監督の声を聞かなくても、あ、あのシーンだなってわかる。
さすがにシーンナンバーまではするっと出てこなくてもだ。
撮影順になったデータは、日付ごとにフォルダ分けがしてあった。
撮影したその日を思い出してしまう。
そうか、そうだった、この日にこのシーンを撮影したな・・・直後にここも撮影しようって追加したな・・・
そういう一つ一つを思い出す。
おおよそ3時間。
気付けばあっという間に時間が過ぎていた。
もうこんな時間だ。
撮影二日目までのデータを振り分けた。
データの整理だけで、こんなに時間がかかる。
しばらくは、この作業に没頭することになるだろう。
今週末には、監督と最初の編集を開始したい。
年内に、編集の目途をつけたいのだ。
時間が足りなくなるのは目に見えている。
まだバラバラのピースだ。
それを並べることすらしていない状態。
このパズルが完成した時に、そこに映画が出来上がっている。
舞台だったセブンガールズがいよいよ映画になる。