前に監督ととあるPVなどの編集に毎日のように立ち会っていた時期がある。
あの頃は、今ほどPCのパワーも高くなかったし、テープからの取り込みだった。
今は、本当に進化している。
ただ、アナログの方が強い部分もある。
一番の強さは、メディアそのものの強さだ。
かつてはテープメディアだったわけだけれど、ハードディスクに比べれば当然、強い。
何よりも怖いのが、撮影データが消えてしまうことなのだ。
テレビドラマで1話分のデータがぶっ飛んだ事件とか、普通にあるそうだ。
せっかく撮影したのに、その全てが煙のように消えてしまう。
そんな大事件が映像の現場では何度か起きている。
だから、バックアップをとる。
おいらが編集をするとしても、その撮影データは既にバックアップをとってある。
バックアップとは、データを複製して、仮にデータが壊れても復旧できるようにしておくことだ。
いくつかのバックアップがあって、慎重な人は、あえて別の場所に保管するらしい。
仮にもしも火事などが起きても、場所が違えば、撮影データを損失することがないからだ。
バックアップの数があればあるほどいいし、本当は編集するたびにバックアップするべきだ。
昔は編集中に、作業が重すぎて、PCがダウンすることがとてもよくあった。
そうなると、保存後のデータは全て元に戻ってしまう。
PCを扱っている人であれば、エクセルでも何でも一度は経験していると思う。
映像は作業自体が重くて、1時間待つだけ・・・なんて時間帯もある。
そんな時は、1時間の作業の途中でダウンしていたなんてこともあった。
実は、今回のクラウドファンディングで用意したPV作成中もPCダウンが一回あったのだけど。
幸いその時は、ソフト側で自動保存をしてくれていた。
今のアプリケーションはとっても賢いから、そういうセーフティがかかっている。
編集するたびのバックアップというのも、中々、大変なことだと思う。
編集データ自体は、実は軽くて、撮影データとは違うから、それだけなら簡単にバックアップできるけれど。
もし、毎回HDDごとのバックアップとなれば、テラ単位だから、時間がどれだけかかるだろう?
テレビ局や編集スタジオの編集マシンは、だから何よりも、保存メディアを中心に作られているそうだ。
サーバーシステムを、最大最速で動かせるようにして、自動的にバックアップも取れるようにしてある。
PC自体のパワーよりも、記憶媒体の方に力点が置かれる。
そんなことがあるから、今日は、少しだけ大手家電店に立ち寄った。
恐らく1~2基は、MA前には買うことになると思っているからだ。
まぁ、秋葉原やネット販売に比べれば割高だから買うつもりはないのだけれど。
一応、価格帯や、ハードディスクだけじゃなくてSSDなんかも見ておいた。
ケースなども一応見ておく。
想像よりも、値段が落ち着いている印象だった。
たぶん、編集環境次第で、色々に変わる。
HDDのデータ転送スピードも、動画編集だったら早いほうがいい。
容量の大きなHDDで7200回転がベターなのだろうなぁ。
データを受け取ってから、すぐに中身を観れるのかどうか。
その辺も含めて、考えていかなくちゃいけない。
たぶん、必要なものがあるだろう。
もし、監督に、編集時、多少触ってもらうなら、本当はジョグホイールの付いたコントローラーがあったほうがいいけれど・・・。
さすがに、そこまでは用意してもなぁと思う。
おいらが、ある程度、言われたとおりに動かせるように早くなればいい。
エディターに徹するしかないなぁ。
後は、目の前の指示で進む部分だけじゃ足りなくなってくるだろうということ。
家で、微調整も確実に必要になるはずだ。
ここは、家でやっておきます的な流れだ。
どこまで、効率的に、監督の思い描く映像に近づけるか。
大変だけれど、同時に本当に面白い作業がはじまる。
バックアップ。
もちろん、データをもう一つ取っておくという意味だけじゃない。
背中を支えてくれる人の力のことも、バックアップという。
見えない手が、何本も伸びてきて、背中を支えてくれるだろうと感じている。