2016年10月20日

美術設営3日目

搬入から始まって5日目。
急ピッチで作業を続けていく。
本当に、うちの連中はよく動く。

当初、美術の杉本さんからは2週間は設営に時間が必要じゃないかと言われたのを覚えている。
それを、1週間で自分たちでもやるのでと、お願いしたはずだ。
その1週間を搬入日を事前に設定することで、更に短くできればともくろんでいたのだけれど・・・。
これは、本当に、まさかまさかだけれど。
たったの3日で美術設営が、90%完了してしまった。
残りの作業は、汚しであったり、釘頭を塗ることであったり。
或いは、片付けぐらいのものだろうか?

設営している最中に、スタッフさんが初の現地入りをする。
監督、助監督、撮影監督、製作部。
スタッフジャンパーを役者からのプレゼントとして送る。
こんなに喜んでいただけるとは、思わなかった。
打ち合わせ前に、現地のツアー。
ロケ地をみるたびに、驚きの声やため息が上がる。
すごいな。これは・・・。
思わず呟いてしまうスタッフさんも。
クリエイティブな、場所を少しでも刺激できることが出来たんじゃないかと一安心。

スタッフ一行を、用意しておいたスタッフルームに案内して、打ち合わせが始まる。
おいらは、外して作業を続行する。
昼過ぎに打ち合わせが終わり、しばしスタッフさんと歓談。
撮影監督の吉沢さんが、積極的に色々な意見をしてくださる。
本日予定の晩餐にも招待するも用事が入っていた。
明日は、監督と助監督で撮影方法について綿密に打ち合わせるという。

その後製作部打ち合わせに参加して、必要なものが他にないか確認。
いくつか、当たらないといけなくなり、連絡作業を続ける。
そこで、ようやく、皆に遅れて昼食。
簡単にカップラーメンで済ませて、作業にやっと合流する。
幸い、監督が残ってくださったので、色々と確認しながら装飾を進められた。
気づけば、もうやれることがほとんどないという状態になっていた。

買い出し班が戻ってきたころはすでに辺り一面真っ暗。
監督と前日お誘いしてあった音楽監督の吉田トオルさんが話をしている。
この何気ない二人の会話が、映画を大きく変えるのは、18年間でよくわかっている。
冗談交じりでどこまで本気かもわからない会話もあるけれど、お互いクリエイティブ脳を刺激している。

今日まで頑張ってきた仲間たちに、BBQを用意していた。
もちろん、スタッフさん以外には参加費があるけれどさ。
任意だったのに、全員残っていた。
事前に用意してあったBBQセットを広げて、フランクフルトや肉が焼けていく。
おいらは、ビールで乾杯すると、大した量じゃないのに、一気に疲れが来た。
今日はスタッフさん対応で気疲れもあったからなのか、それとも設営が順調で安心したからなのか。
肉を焼くのは、中野圭と、女優達。
おいらは、食べるばかりで申し訳ないなぁと思ったけれど。
とにかく、見れば、皆が笑顔で、楽しそうに焼いたり食べたり話している。
スタッフジャンパープレゼントもそうだけれど、こういう映画とは一見関係ないことこそ重要だと思う。
自然、映画の話が出るし、皆の思っている方向性が一つになっていくのがわかる。
映画の座組とは、ファミリーだ。
けれど、撮影期間が短い。
それをしっかりと座組にしていくことこそ、おいらの出来る最大の演出だと思う。

飲みながら、美術の伊藤さんに確認する。
伊藤さんも今日までに出来上がった美術は、金曜日ぐらいに出来る予定だったという。
ここから先は、自分と大道具さんでほぼ出来るから、稽古しても平気ですよと頂く。
まぁ、男連中は、置きっぱなしの材料の片付けや、裏導線ぐらいはやらないとだけどさ。
それにしても、ここまで順調に進むのは、全員が、頑張ったからだ。

トオルさんと監督と、色々に話す。
すぐに帰ると言っていた監督も、思ったよりも長くBBQに参加してくれた。
人生初のBBQだなんて言っていたけれど、監督も楽しそうだった。
うちの連中は、本当によく動きますよ。と監督に言うと、深くうなづいた。
通常の映画では、あれやっといて!と頼める人なんか何人もいない。
監督が、その場でぱっと誰かに頼むとあっという間に、地面までならしてしまうのだから。

印象的だったことがある。
トオルさんが言った言葉。
「だって、前墳は最初からそうだったじゃない。」
つまり、プロの劇団だったんだから!という意味だ。
時々、ニュースで、何かの事件があるたびに「劇団員の・・・」とか「元劇団員」とか頭につく。
ああいう報道は、いわゆるアマチュアの自称役者的な、揶揄が入っているなぁといつも感じる。
実際にこの世には学生のアマチュア劇団というのもあるんだろうと思う。
おいらたちは、旗揚げ当初から、プロの劇団だとやってきている。
それこそトオルさんはプロミュージシャンで、そういう人がオペレーションをやってくれていた。
制作でも、受付でも、場内整理でも、大道具でも、音楽でも、演出でも、
ちゃんと、プロの対応が出来るように積み重ねてきた。

きっとスタッフさんたちの中には劇団の代表作の映画化というのを聞いただけだから。
「劇団」というもののイメージがあったと思う。
映像畑の人だから、色々な撮影現場に来る「劇団員」のイメージもあったはずだ。
その想像とは、きっと色々ずれていたのだと思う。
どうやってこのロケ地を借りたのか。
想像していた美術セットを、超えていたこと。
スタッフルームやスタッフジャンパーの準備。
あとは、芝居を見せるだけだ。
こいつらは、プロの作品制作集団なのだと、思っていただくには。

翌日の入り時間を少しだけ遅く設定した。
これも、今まで早入りしていたメンバーへのご褒美だ。
大変なだけじゃ、何も進まない。
少しずつ、役者の脳になっていくべきでもある。

稽古をしよう。
あのロケ地には。
あのパンパン小屋がすでに存在する。
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posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 07:57| Comment(0) | 撮影準備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする