頭のシーンからどんどん段取りが付いていく。
段取りがすべてつけば、あとは各々がどれだけ芝居を深めていくかだ。
オーディションで合格した3人の俳優が初めて参加。
自己紹介から始まって、色々と話をしていく。
同じ座組に立つのだから。
同じ作品に向かうのだから。
夜には、メイクさんが到着。
打ち合わせをする。
おいらが思いつく聞いておくべきことはすべて伝えたと思う。
あとは、もう、担当に任せるしかないだろうな。
映像の現場で。
映画で、ドラマで。
ヘアメイクで現在活躍している方はたくさんいる。
もちろん、そんなスタッフさんをお願いすることは不可能じゃない。
プロデューサーさんに相談すれば、当然、探してくださる。
でも、今回のメイクさんは、浅井ひろ美さんにお願いをした。
ひろ美さんにお願いするメリットは計り知れない。
劇団を古くから知ってくださっているお客様はご存知だと思う。
旗揚げ公演から、ホールクラスの劇場から撤退するまで。
ずっと、前方公演墳の公演には、ひろ美さんがいた。
トオルさんと、ひろ美さんは、まさにデビッド・宮原ファミリーだ。
なんせ、デビさんとは10代からの付き合いだからだ。
お互いの理解度は、おいらたちの想像を優に超えている。
今回のスケジュールで、この出演者数では、メイクを全員にしてもらうことは殆ど不可能だ。
やっていただくのは、やっぱり、チェックということになる。
そのチェックが、俳優たちにとっての最大の保険だ。
目に見える形でもあるけれど、目に見えない信頼が、大きな大きな力になる。
少なくても、セブンガールズの舞台をこれほど観ているメイクさんは、どこにもいない。
打ち合わせでも、質問を重ねるほど、色々なアイデアや、色々なアイテムについて教えてくれた。
そこをメイクするなら、こうしておいたほうがいい。
メイクチェンジが撮影内で想定されるなら、こうしたほうがいいんじゃないか。
この時代感を出すなら、この髪型はないんじゃないか。
そこで、着るなら、うちにこんなのがあるけど。
昨日、縁について書いたけれど。
縁というなら、これほど、縁のあるスタッフさんは他にいないのだ。
出演する俳優たちのことも、深い理解をしてくれている。
新しく芝居を交わすメンバーが合流して。
新しく作品を作り上げる援軍がやってきた。
くたくたになって、帰宅していたのに、自然と目が閉じていた。
見れば、また一つ、大きな大きな連絡が来ている。
急速に撮影に向かって、動き出している。
おいらたちだけでなんか、何にもできないんだよ。
本当に、たくさんの、目に見える力と、目に見えない思いが。
この作品に集結し始めているんだ。