稽古から帰る。
色々と覚悟のいる稽古だった。
帰宅するなり、心の重い作業を始める。
先日のオーディションの選考結果を連絡するという重責だ。
本当に、全ての俳優たちと芝居が出来ればなんの問題もないのだけれど。
出てくる役の数には限りがあるし、選考がある。
選考結果を目にしながら一人一人にメールを送る。
おいらも、オーディションを受けたことがあるけれど。
不合格だった場合、連絡がないことが普通だ。
合格者のみ連絡しますと、事前に言われることも多いけれど。
言われないまま、なんの連絡もない場合もある。
そういう時って、とてもおいらは寂しくて、今回はちゃんと連絡をしようと決めていた。
それにしても、心が重くなる作業だった。
もちろん、いつかどこかで、何かの作品でご一緒するかもしれない。
真剣に選考を重ねて決まったことなのだから、堂々とすればいい。
そんなことを考えながらメールを打つ。
数十人相手に、メールを一つ一つ。
メールを送信する傍から返信も来る。
返信にすぐに対応しなくちゃと、手を止めては、メールを見る。
ハッとした。
今回、オーディションに合格した俳優から。
全身全霊で頑張ります!との一言が書かれていた。
一瞬で、今日一日の疲れや頭の中のモヤが晴れていった。
そうだ。
今回、また新しく出会った俳優と、おいらは芝居をするんだ。
一緒に作品を創るんだ。
同じ座組にになるんだ。
その一言に、大きく大きく救われた。
監督と連絡を取りながら、全員にメールを送り終える。
携帯メールの方もいらっしゃるのに、遅い時間で申し訳ないなぁという思いが残る。
最終稿も、ト書きや細かい修正が入って、いよいよ自分の手元に来た。
これで、一気に、作業も進むことになる。
スタッフさんたちにシナリオを転送して、今日は力尽きたかな?
明日は、明日で作業が始まるって事だ。
全身全霊で。