9月に入って23日。
東京で雨の降らなかった日はたったの二日らしい。
毎年、おかしな天候に逢うけれど。
この雨量は、あまり記憶にない。
ラニーニャ現象が始まって、暖かい秋だと聞いていたけれど。
どんな秋だろう。
秋は日本にとって特別な季節だ。
稲作文化を中心としたこの国にとって、収穫の秋は、もっとも重大な季節だった。
日本各地に祭が残り、豊作を祝った。
米の収穫量が、大名の実力に比例して、お金は米の代わりに過ぎなかった。
戦においても「勝負のトキ」と書く時は、「秋」と書く。
秋は日本にとって一年のクライマックスだ。
つい。
本当につい先日まで夏だったような気がする。
灼熱の太陽の真下で、汗だくになって走り回ったのは幻のようだ。
傘の手放せない毎日。
天高く馬肥ゆる秋は、いつやってくるのかなぁ。
ロケ地を探しに、ケッタをすっ飛ばしているとき。
頭を垂らす稲穂をたくさん目にした。
まだ青々としていたけれど、ここ数日で、黄金色に色づいたことだろう。
北の国からはとっくに新米が届いてる。
秋が来た。
アキガキタ。
トキガキタ。
一歩ずつでも。
力強く。
このトキを迎えに行こう。
長く続く雨よ。
恵みの雨よ。
やがてくる、天高き空を待っている。