オーディションを締め切ってからリスト作成までをして監督と共有する。
書類審査とは言え、なるべく多くの人に会いたいと思っている。
オーディションに要する時間は決まっているから全員と会えるかはわからないまま。
それでも、公平にほぼ全員に会えるように手配していく。
なぜなら、おいらは、役者で、オーディションを本来受ける側だからだ。
もっとも、オーディション情報というものをどこでいただけるのかもわからず。
十数年の間、殆どオーディションなんて受けてこなかった。
2年に1度もあるかないかという状況だったけれども。
それでも、オーディションという現場がどういう現場なのかは良く知っている。
深夜帯にかからないうちに、各役者様たちのスケジュールを組み終わる。
同時に全員に、オーディションの詳細をメールしていく。
今回は、メールでの応募のみにしていたから、電話での回答がないのは救われた。
自分が受ける側の時は余り、考えていなかったけれど、これが意外に大変な作業だった。
メールを送信する傍から、返信が帰ってくる。
シンプルな、よろしくお願いいたします。という返信から、時間変更希望、質問、日程の確認。
数十名に詳細を送っているその最中から、どんどん返信が来る。
とにかく、詳細だけは全員に送り、返信できるものも返信していった。
自分が受ける側の時は、こんなことを想像もしていなかったけれど。
もちろん、事務作業をされている方と、実際に先行する方は違う場合が多いはずとは言え。
こんなにも、質問一つでも、大変なのだと知ったことだけでも、自分にはプラスだと思う。
朝になると、やはりメールが来ていて、メールを返信している最中に電話が何度もなる。
知らない電話番号からの着信が続くから、今度はどなただろうなぁ?なんて思うようになっていく。
午後の今になっても、やはり、メールや電話がかかってきていて。
事務作業が意外にはかどらない時間を過ごしている。
これから、当日のスケジュールに沿った、選考用のリストを作成したり、各プロフィールをプリントアウトしなくちゃだ。
これは、中々の作業だったんだなぁ。
そんなことを続けていて、ようやく、選考側のスタッフに明日の連絡をする。
集合場所や準備時間など、とりあえず簡単な内容だけだけれども。
劇団員の皆にも、稽古時間の変更連絡をした。
人数が多いから、オーディションの時間を増やさせてもらった。
もちろん、稽古とオーディションを秤にかけることなんかできない。
どちらも重要で、とっても大事な事だ。
とは言え、役者である自分は、チャンスはなるべく全員にあるべきだと思っている。
こちらの時間の都合で、書類選考で人数を絞るよりも、多くの人に会う方が良い。
例え、映画で一緒にならないことがあったとしても、素晴らしい出会いになるかもしれない。
人と人とが出会うというのは、それだけで、一つの何かが生まれる可能性を持っている。
明日。
初めて会う役者と顔を合わせる。
おいらは、事務作業をして、様々な連絡を直接取れる立場だから選考からは外れる。
それでも、会場にはいるし、皆様と話をすることになるだろう。
きっと、ちょっとしたことでも、刺激を多く受けることになる。
多分、その刺激は、役者としてだけではなくて、人間としても良い経験になると思っている。
何度か、応募者様と電話で話しているうちに。
少し軽い気分になっていった。
皆様、純粋で、まっすぐに、質問をしてくださる。
この作品は、そもそも「思い」から始まった作品で。
その「思い」が集まって、今に至っている。
出演したいという純粋な思いも、きっと、この映画の力になるんだろうなぁ。
そんなふうに、思えてきた。
参加者の皆様がここを読んでいるかもわからないけれど。
なるべくクリエイティブな、オーディションになるように手配しています。
就職活動ではないので・・・。
今から、皆様にお会いできる時間を楽しみにしております。