たくさんのオーディションのご応募ありがとうございました。
今、やっとリスト整理して、書類選考に入っています。
なるべく多くの皆様にお会いできるように手配しておりますので、お返事は明日の夜までお待ちください!
思ったよりも多くの応募があったので、スケジュールを組んでからのご返信となります。
さて・・・。
ロケ候補地の視察に女優の上田、広田と共に向かった。
ディズニーランドの帰りに、なんだか不思議な気分になったことはないだろうか。
その地から離れる時、まるっきり、そういう感覚に襲われた。
非日常的空間に滞在すると、日常の世界に戻る時に、違和感を多く感じるのだ。
そういう非日常的な場所だった。
一人で行くのも良かったのだけど、誰か近い人がいればと思って一緒に行ける人を探した。
思ったよりも何人も手を挙げてくれたのだけど、その日空いているという二人にお願いをした。
無理はしないでと言ったのだけれど・・・。
何せ、まだそこを借りることが決定しているわけではなく、見に行くだけだからだ。
朝待ち合わせをして、現地に向かう。
不動産管理の方を待ってから、敷地内に入った。
一歩入ったその奥は、まさに、バラック群と呼べる空間だった。
トタン建築が並び、更に土地は勾配があるから実に立体的だ。
屋根瓦が落ちているような朽ちた木造建築もある。
トタン建築の窓は、壁から外れかかっている。
この敷地内のどこから撮影しても、現代的なものなんか映らない。
電柱すらコンクリートではなく、木柱なのだ。
鍵が空くまで敷地内を散策したけれど、どこを観ても、まるでこの映画の為に組んであるセットのようだった。
鍵が空いて中にはいれるようになった時に、とにかく驚いた。
衝撃を受けるほど、内部が広かったのだ。
ガランドウで、前回のロケ候補地に組む予定だったセットが4つは組めるような広さがある。
高さも4m近くあって、その広さに圧倒される。
広田さんが階段があるよとみつけて、階段を上ると、さっきの敷地内に続く2階部分に出た。
そこもまた1階同様の広さを持ち、それだけではなく、20年以上時が止まったままだった。
貼ってあるポスターは斉藤慶子さんのポスターだったりする。
いしだあゆみさんが表紙の雑誌がそこに積んであったり。
余りに広いから、パーティションで区切った和室がまである。
中からシャッターを開けて、さっきの敷地に出る。
ここに、あの予定していたセットを組んだら・・・。
外に立てる予定だったパネルも、少なくて済む。
それだけじゃなくて、敷地内の駐車スペースには屋根が付いている。
つまり雨の日でも、屋根の下から外を撮影することが可能だという事だ。
敷地内が全てトタン建築だから、見切れの心配もない。
撮影したいものを撮影できる理想的過ぎる空間だった。
5mのメジャーでは、ロクに図ることも出来ない広さ。
本当は載せたいけれど、載せられない写真は上田が撮影した。
様々な距離を広田が計測した。
おいらは、様々なアングルやら、すべてを確認していった。
スタッフさんの控室も、役者の待機場所も、敷地外駐車場まで全てが揃っている。
こんな理想的なロケ候補地が本当にあるなんて・・・。
その地を離れる時に3人は興奮が冷めやらなかった。
ここで、撮影したいという気持ちが強く強く、そして何よりも感動してしまっていた。
せっかく来てくれた二人に、じゃあ解散でとは言えなかった。
この地区の鎮守様にお参りに行き、3人であの地での撮影を願った。
そのまま地の物を昼食として取った。
すぐにロケ地の報告をする。
報告確認後に、某企業様不動産管理ご担当に、ぜひここでの撮影をしたい旨、連絡する。
企業の持つ不動産だから、すぐに決済されることはないだろう。
ここからは、ただただ良い知らせを待つことになる。
夜には必要な施設利用誓約書を作成して、監督やプロデューサーに送信する。
朝、内容確認が済み次第で、すぐにご担当に送信した。
ああ。ああ。
あそこで、撮影出来たらどれだけすごいだろう。
上田も広田も、ここ以上の物件なんかあるわけがないと言っていた。
もちろん、絶対に出来るわけではない以上、止まるわけにもいかない。
他の物件も探し続ける。
今も探し続けてくれている劇団員もいるはずだ。
ここならという場所があれば、やはり交渉に入らなくてはいけないだろう。
止まるな、止まるなと、自分に言い聞かせる。
でも、同時に。
お願いします、お願いしますと、かの地での撮影を願ってしまう。
ここから先は、もう願う意外に出来ることがないからだ。
だのに、願うだけではいけない。止まることは許されない。
やることはまだまだある。
オーディションの資料製作や、オーディションのスケジュール組もある。
自分の時間の使い方を一歩間違えると大変な事になるんじゃないだろうか?
背筋をゾクゾクさせながら、紙一重で、進んでいる。