2016年09月18日

雲をつかむような話

やっとオーディションのリストなどが出来上がる。
全てプリントアウトして、明日の準備が出来上がった。
全部準備が終わってから、参加できなくなった旨のメールが来る。
恐らくオーディション当日も、連絡が重なるだろう。
フレキシブルな対応力も必要になってくる。
おいらとしては、参加してくださる皆様が気持ちよくオーデションの臨めたらなと願うばかりだ。
完全にスケジュール通りになるのが一番だけど、やはり、色々あるだろう。

ここが終われば、どんどんバタバタしていくだろう。
加速度を持って進む。
本当はやっておきたいこともまだまだあったけれど。
とりあえず後回しにしてあることもある。
自分に大丈夫と言い聞かせながら、少しずつ進むしかない。
イメージは出来ているけれど。

クラウド・ファンディングのページを今、もう一度ゆっくりと読んだ。
10か月前に何度も何度も推敲して製作したページだ。
舞台映像を繋いだPVもある。
写真の配置から、内容の告知まで、細かく目を通していった。
おいらがその時に持っていた感情がもう一度蘇っていく。
自分たちでこの作品を映画にしたいという思いからこの作品は始まった。
その思いは色あせることはないけれど。
色あせることないまま、今は、ずっと現実的にもなっている。

あの時は雲をつかもうとしていたね。
地上から見る雲はつかめそうだ。
ふわふわと空を漂っている。
今、一歩一歩登山して、雲が目の前に迫ってきている。
そして、掴もうと思っても、掴んだ実感を中々持てないこともわかっている。
わかっていながら、同時に、掴むことが出来る実態があると知っている。
それは、気体だと、充分に理解しながら。
その雲をとにかく、掴んでみようと歩いている。

もし個体だったら。
雲をつかむことが出来るのに。
もし個体だったら。
雲に乗ることが出来るのに。

雲をつかむような話だったのが。
雲に乗るような話だったのが。
今、雲を理解して、その水蒸気の塊の傍まで進んできている。
例え掴むことが出来ないとしても、実態があることをようやく確認できるところまで来た。

このBLOGを初期から読んでくださっている方々もいる。
そんな皆様も、いよいよ近くなってきたと感じていらっしゃるだろう。
おいらは、今も、皆様と共に歩んでいるという実感を持っている。
また一歩。また一歩。
困難な登山に足を前に出せたのは、そんな皆様の応援のおかげだ。

あの時。
映画という言葉が現実じゃなかった時の。
皆のような、そんな役者に会えると思う。
映画に出るということの現実感を持てない俳優もきっと参加してくるだろう。
おいらは、そこでもう一度、思い出せたらいいな。

PVをもう一度見てから、オーディション会場に向かおう。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 08:27| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月17日

あっち側を知っていくこと

オーディションを締め切ってからリスト作成までをして監督と共有する。
書類審査とは言え、なるべく多くの人に会いたいと思っている。
オーディションに要する時間は決まっているから全員と会えるかはわからないまま。
それでも、公平にほぼ全員に会えるように手配していく。

なぜなら、おいらは、役者で、オーディションを本来受ける側だからだ。
もっとも、オーディション情報というものをどこでいただけるのかもわからず。
十数年の間、殆どオーディションなんて受けてこなかった。
2年に1度もあるかないかという状況だったけれども。
それでも、オーディションという現場がどういう現場なのかは良く知っている。

深夜帯にかからないうちに、各役者様たちのスケジュールを組み終わる。
同時に全員に、オーディションの詳細をメールしていく。
今回は、メールでの応募のみにしていたから、電話での回答がないのは救われた。

自分が受ける側の時は余り、考えていなかったけれど、これが意外に大変な作業だった。
メールを送信する傍から、返信が帰ってくる。
シンプルな、よろしくお願いいたします。という返信から、時間変更希望、質問、日程の確認。
数十名に詳細を送っているその最中から、どんどん返信が来る。
とにかく、詳細だけは全員に送り、返信できるものも返信していった。
自分が受ける側の時は、こんなことを想像もしていなかったけれど。
もちろん、事務作業をされている方と、実際に先行する方は違う場合が多いはずとは言え。
こんなにも、質問一つでも、大変なのだと知ったことだけでも、自分にはプラスだと思う。

朝になると、やはりメールが来ていて、メールを返信している最中に電話が何度もなる。
知らない電話番号からの着信が続くから、今度はどなただろうなぁ?なんて思うようになっていく。
午後の今になっても、やはり、メールや電話がかかってきていて。
事務作業が意外にはかどらない時間を過ごしている。
これから、当日のスケジュールに沿った、選考用のリストを作成したり、各プロフィールをプリントアウトしなくちゃだ。
これは、中々の作業だったんだなぁ。

そんなことを続けていて、ようやく、選考側のスタッフに明日の連絡をする。
集合場所や準備時間など、とりあえず簡単な内容だけだけれども。
劇団員の皆にも、稽古時間の変更連絡をした。
人数が多いから、オーディションの時間を増やさせてもらった。
もちろん、稽古とオーディションを秤にかけることなんかできない。
どちらも重要で、とっても大事な事だ。
とは言え、役者である自分は、チャンスはなるべく全員にあるべきだと思っている。
こちらの時間の都合で、書類選考で人数を絞るよりも、多くの人に会う方が良い。
例え、映画で一緒にならないことがあったとしても、素晴らしい出会いになるかもしれない。
人と人とが出会うというのは、それだけで、一つの何かが生まれる可能性を持っている。

明日。
初めて会う役者と顔を合わせる。
おいらは、事務作業をして、様々な連絡を直接取れる立場だから選考からは外れる。
それでも、会場にはいるし、皆様と話をすることになるだろう。
きっと、ちょっとしたことでも、刺激を多く受けることになる。
多分、その刺激は、役者としてだけではなくて、人間としても良い経験になると思っている。

何度か、応募者様と電話で話しているうちに。
少し軽い気分になっていった。
皆様、純粋で、まっすぐに、質問をしてくださる。
この作品は、そもそも「思い」から始まった作品で。
その「思い」が集まって、今に至っている。
出演したいという純粋な思いも、きっと、この映画の力になるんだろうなぁ。
そんなふうに、思えてきた。

参加者の皆様がここを読んでいるかもわからないけれど。
なるべくクリエイティブな、オーディションになるように手配しています。
就職活動ではないので・・・。
今から、皆様にお会いできる時間を楽しみにしております。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 15:54| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月16日

時の止まった場所

たくさんのオーディションのご応募ありがとうございました。
今、やっとリスト整理して、書類選考に入っています。
なるべく多くの皆様にお会いできるように手配しておりますので、お返事は明日の夜までお待ちください!
思ったよりも多くの応募があったので、スケジュールを組んでからのご返信となります。

さて・・・。
ロケ候補地の視察に女優の上田、広田と共に向かった。

ディズニーランドの帰りに、なんだか不思議な気分になったことはないだろうか。
その地から離れる時、まるっきり、そういう感覚に襲われた。
非日常的空間に滞在すると、日常の世界に戻る時に、違和感を多く感じるのだ。
そういう非日常的な場所だった。

一人で行くのも良かったのだけど、誰か近い人がいればと思って一緒に行ける人を探した。
思ったよりも何人も手を挙げてくれたのだけど、その日空いているという二人にお願いをした。
無理はしないでと言ったのだけれど・・・。
何せ、まだそこを借りることが決定しているわけではなく、見に行くだけだからだ。

朝待ち合わせをして、現地に向かう。
不動産管理の方を待ってから、敷地内に入った。
一歩入ったその奥は、まさに、バラック群と呼べる空間だった。
トタン建築が並び、更に土地は勾配があるから実に立体的だ。
屋根瓦が落ちているような朽ちた木造建築もある。
トタン建築の窓は、壁から外れかかっている。
この敷地内のどこから撮影しても、現代的なものなんか映らない。
電柱すらコンクリートではなく、木柱なのだ。
鍵が空くまで敷地内を散策したけれど、どこを観ても、まるでこの映画の為に組んであるセットのようだった。

鍵が空いて中にはいれるようになった時に、とにかく驚いた。
衝撃を受けるほど、内部が広かったのだ。
ガランドウで、前回のロケ候補地に組む予定だったセットが4つは組めるような広さがある。
高さも4m近くあって、その広さに圧倒される。
広田さんが階段があるよとみつけて、階段を上ると、さっきの敷地内に続く2階部分に出た。
そこもまた1階同様の広さを持ち、それだけではなく、20年以上時が止まったままだった。
貼ってあるポスターは斉藤慶子さんのポスターだったりする。
いしだあゆみさんが表紙の雑誌がそこに積んであったり。
余りに広いから、パーティションで区切った和室がまである。
中からシャッターを開けて、さっきの敷地に出る。
ここに、あの予定していたセットを組んだら・・・。
外に立てる予定だったパネルも、少なくて済む。

それだけじゃなくて、敷地内の駐車スペースには屋根が付いている。
つまり雨の日でも、屋根の下から外を撮影することが可能だという事だ。
敷地内が全てトタン建築だから、見切れの心配もない。
撮影したいものを撮影できる理想的過ぎる空間だった。
5mのメジャーでは、ロクに図ることも出来ない広さ。
本当は載せたいけれど、載せられない写真は上田が撮影した。
様々な距離を広田が計測した。
おいらは、様々なアングルやら、すべてを確認していった。
スタッフさんの控室も、役者の待機場所も、敷地外駐車場まで全てが揃っている。
こんな理想的なロケ候補地が本当にあるなんて・・・。

その地を離れる時に3人は興奮が冷めやらなかった。
ここで、撮影したいという気持ちが強く強く、そして何よりも感動してしまっていた。
せっかく来てくれた二人に、じゃあ解散でとは言えなかった。
この地区の鎮守様にお参りに行き、3人であの地での撮影を願った。
そのまま地の物を昼食として取った。

すぐにロケ地の報告をする。
報告確認後に、某企業様不動産管理ご担当に、ぜひここでの撮影をしたい旨、連絡する。
企業の持つ不動産だから、すぐに決済されることはないだろう。
ここからは、ただただ良い知らせを待つことになる。

夜には必要な施設利用誓約書を作成して、監督やプロデューサーに送信する。
朝、内容確認が済み次第で、すぐにご担当に送信した。

ああ。ああ。
あそこで、撮影出来たらどれだけすごいだろう。
上田も広田も、ここ以上の物件なんかあるわけがないと言っていた。
もちろん、絶対に出来るわけではない以上、止まるわけにもいかない。
他の物件も探し続ける。
今も探し続けてくれている劇団員もいるはずだ。
ここならという場所があれば、やはり交渉に入らなくてはいけないだろう。
止まるな、止まるなと、自分に言い聞かせる。
でも、同時に。
お願いします、お願いしますと、かの地での撮影を願ってしまう。
ここから先は、もう願う意外に出来ることがないからだ。
だのに、願うだけではいけない。止まることは許されない。

やることはまだまだある。
オーディションの資料製作や、オーディションのスケジュール組もある。
自分の時間の使い方を一歩間違えると大変な事になるんじゃないだろうか?
背筋をゾクゾクさせながら、紙一重で、進んでいる。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:15| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする