近所の建築業者に電話をかけてみる。
家のすぐ目の前にある置き場の業者だ。
もしかしたら、廃材が出てくるかもしれない。
もちろん、本図面があがるまで、実際に必要な部材の量はわからない。
すでにいくつかの材料もあり、恐らく、皆で集めれば、充分ぐらいではないかと言われてはいるけれど。
遅れを取るようなことのないように、今から少しずつ少しずつだ。
いただいた美術イメージを実現できるように。
図面を睨みながら、これは必要だよなというものを先回りして探している。
実際に、作り込む中で、足りなかった!とならないように。
ちょっと今、思っているのが、美術のイメージをデータでも頂いたことだ。
折角データでも頂いたのだから、メールで送信も可能だ。
もちろん、このBLOGに掲載することだって可能だ。
・・・もちろん、勝手に公開するわけにはいかないけどさ。
役者に共有して、これを皆で創るよ。ここで芝居をしようよ。と送ることも出来る。
ただ、まだイメージで、イメージからの打ち合わせが終わった段階だから。
決定版の方がいいのかもなぁと躊躇してしまう。
まぁ、その時の感覚で、やっぱ送っておこうとなれば、送ろう。
イメージや図面を見ただけでは、実はちょっとわからないだろうなぁという部分もある。
おいらはロケ候補地を知っているから、ここがどこで、ここがどのぐらいの距離でというのが解る。
図面を見れば、ここに必要なもの、今ある部材だけでは無理なものも見えてくる。
だから、稽古場に持っていって、説明しながらじゃないといけないかもなとも思っている。
そのバラック街なイメージだけで、想像を膨らませてしまっては、多分、色々ずれてくる。
あくまでも、これはイメージで、図面から見ると、ここはこういうスペース感だよという説明が必要だ。
いきなり、写真転送しても、わあすごい!だけで終わってしまうのではないかという不安がある。
何故なら、今回の映画撮影は特殊なのだから。
俳優たちも、きちんと理解するべきだと思う。
どこがどこになって、どんな広さで。
ここで、どうやって撮影をしていくのか。
ここで、どんな風に、シーンを作っていくのか。
より具体的なイメージを持って稽古した方が良い。
なるべく撮影本番を想定しながら、そこにどうやって生きるのかを想定しないといけない。
このイメージは、絵画ではないのだ。
芸術作品でもない。
最終的に組みあがる美術のイメージなのだ。
監督に美術スタッフが説明したのと同じだけ、俳優にも説明した方が良い。
思ったよりも●●だったという誤差を今から出来るだけ潰さないと。
絶対にイメージと実際では誤差が出るのだから、そこを小さくする努力をしたい。
どう説明すればいいかな。
多分、このイメージを観たら、どんとイメージが頭に入って、それが一番大きくなっちゃうな。
実際の距離感や芝居をするスペース感まで、なんとか伝えないとだ。
うん千万円という予算の映画にも引けを取らない美術が出来る。
ここから更に努力も必要だし、アイデアも必要だけれど。
組み上がった美術が確実に時代感を表現してくれる。
その為に、何から始めるのかって事だ。
出来ることを選ばずに手を付けていこう。
今週末、近所の建設業者さんと話をしてくる。
小さな事だけど、それが、更にこの美術のクオリティを上げてくれると信じている。
もやの向こうに満月。
満月の日に始まったこの企画。
撮影まで、満月はあと2回しかやってこないだろう。