2016年07月19日

一本道

第二稿、転送後、監督からもらった設定資料を清書作業する。
事前に役者にまとめてもらった、情報と併せて、スタッフさんに渡せる資料に仕上げている。
今日中にも終わるだろうと高を括っていたのだけれど、思ったよりも時間がかかる。

通常映画のシナリオは80ページぐらいだという。
それが今回のシナリオは優に130ページを超す。
シーン数も、当然、通常の映画の倍以上ある。
その上、登場人物も30名を越えている。

製作スタッフや助監督、撮影スタッフは、シナリオから、様々なイメージを起こす。
その上で、カット割りを決めたり、絵を決めたり、段取りをまとめていく。
けれど、この膨大なシナリオに、とても困惑しているらしい。
先日のビデオ会議でも、数割はその話になった。
難解過ぎて、じっくりと時間をかけて取り掛からないと、とても理解できないのだという。
シナリオを読む前に、舞台のDVDを観る方が良い。そうなったスタッフさんもいる。
どのシーンが、どのエピソードの前振りで、どうつながっているのか。
文字だけ読んでも、中々、イメージできないのだろうと思う。

それは、もちろん、想定内で、そのための資料になるはずだと思っている。
各登場人物一人一人のプロフィールやイメージカラー。シナリオ内で起きること。
人物関係表などをひとまとめにして、少しでも物語の世界が解るようにしている。
シナリオを解析する手掛かりになるような資料になれば・・・と思っている。
今も他の映像作品を手掛けていて、じっくりと手を付けられるまで時間がかかる。
とりあえず、作品イメージだけでも・・・というのすら、中々難しい状況なのだと思う。

主人公が一人で、そこを軸に進んでいく物語ではない。
多くの娼婦の群像劇で、様々なエピソードが絡み合いながらクライマックスに向かっていく作品だ。
様々なピースがあるから、余計にわかりづらいのだと思う。
でも、この作品だからこそ、応援してくださった皆様がいて、映画化が決まったのだ。
これを単純化してしまっては、約束の反故になってしまう。
単純化する事よりも、おいらに出来ることがあるとすれば、理解しやすい入口を創ることしかない。
設定資料を読んで、役のイメージが出来れば、またシナリオを読んだ時に違うイメージになると思っている。

もちろん、この資料は、本来は美術さんやメイクさんなどに渡すつもりで創ってきた。
いわゆる、この娼婦の部屋はこんなイメージだとか。
この娼婦の髪形はこんなイメージと、考えやすくなるようにだ。
いずれ必要になるなら今からやっておこうというものだ。
作品そのもののイメージがわかりやすいように・・・というわけではなかった。
そう思って、手を付けていたものが、こんなふうに役に立つんじゃないかと広がっただけだ。

本来は各娼婦のエピソード一つだけでも映画にすることは可能だと思う。
掘り下げたり、心象風景を重ねたりすれば、全然出来る。
それが、娼婦の数だけエピソードがあって、それが複雑に絡み合っていく。
それがこの作品の面白さで、それこそラストのカタルシスに繋がっていく。
そして、おいらは、この作品の面白さはそこだと思うし、おいらだけじゃなくて、それを応援してくれた人がいるのだ。

資料のページ数がどんどん増えている。
明日もビデオ会議の後、作業の続きだ。

道は見えている。
真っすぐ進むだけだ。
仮にそれが無駄な作業になったとしても。
おいらは、なんにも思わない。

少なくても、作品世界に、資料を作っているおいらが一番深く深く入っているからだ。

明日には完成させて、監督に転送したい。
監督がチェックして、直せば、すぐにでもスタッフさんに送れるからだ。

どんどん進めよう。
どんどん進もう。
まだまだこんなものじゃない。
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posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 10:24| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする