2016年06月28日

映画を観て泣いたこと

映画を観て泣いたことってありますか?

子供の頃ね。
母親がテレビで映画を観ていて、泣いてるわけ。
それを見つけると、面白くてね。
絶対に、なんで泣いてるのーーー!?って聞いてました。

そう。映画を観ても、全然、泣けない人間でありました。
ETとかね。
泣いたーとか聞いて、嘘だろ!って思ってました。
別に楽しくなかったわけではなく。
映画を観て泣くってこと自体がなんだか理解できなかったのかもしれない。
それに、男は簡単に泣くな!って昔はよく言われ続けたものでね。
泣いちゃいけないって子供心にずっと思って生きてたのかもしれない。
今の子はどうなんだろう。

それで、少し大人になって。
一人でも映画に行くようになって。
なんか「コミック雑誌なんかいらない」とかをたまたま深夜に観ちゃって、ショックを受けたり。
なんとなく、映画の見方っていうのが変わっていって。
多分18ぐらいの時に、一人で映画に行って、信じられないぐらい号泣したんですね。
「渋滞」っていう映画なんだけれど。
あんまり見たことがある人がいない映画なので、共有できる人がいないんだけどさ。
ショーケンさんと黒木瞳さんかな。
でも、そのラストのショーケンさんのお父さんのシーンでね。
映画館で嗚咽でしたよ。
しかも、客が入ってなくて、その映画館、殆ど貸し切りだったんだよなぁ。

それ以降、もう簡単に泣くようになった。
釣りバカとかね。
酷い時は、「男はつらいよ」の予告CMで泣いちゃったりね。
あれ以来、どかんと変わっちゃったんだな。
今じゃ、もう、簡単に泣いちゃうんだから。

色々原因はあるんだと思う。
やっぱり、泣くっていう事が恥ずかしい事なんだって無意識レベルまで浸透していたのだろうと思う。
それが、殆ど貸し切り状態という、奇跡的な客席の映画館で。
誰はばかることなく泣いても文句を言われない状態だったのもあったのかな。
そもそも、泣くような結末だと思ってなかったっていう意外性もあるのかもしれない。
完全に、自分の自意識を一枚ひっぺがされた感じだった。

今のおいらが、セブンガールズを観たら、泣いちゃうんだけどさ。
当時のおいらが観たら、どうなんだろう?って思った。
絶対に泣かない!みたいなスタンスではないんだよ。何も決めてない。
ただ無意識的に、映画を観て泣くっていうことが、よくわからなかったおいら。

そこを打ち破るのって、監督の力なのかな?
それとも、脚本の力なのかな?
それとも、撮影の?それとも、音楽の?
もちろん、そのどれもなければ成立しないんだと思うけどさ。
でも、たぶん、俳優の力もそこにないと無理なんだろうって思うよ。
あのシーンのショーケンのお父さんの芝居は、映画の冒頭から計算された凄い演技だったもん。
瞬間で心を持っていかれるというか、瞬間でシンクロしてしまう芝居だった。

それをやれたらなって思うんだよ。
その為に、何が足りないかなって。
スクリーンの向こうから、何かを直接鷲掴みされたような感じだった。

最近は泣ける映画っていうキャッチフレーズの映画がよくある。
だから、そもそも、泣きに行っているお客様もいると思う。
或いは泣くような映画を期待しているお客様も。
一緒に行く人なんかは、俺は絶対に泣かないけどなって思ってるかもしれない。
でも、そういうのと違うんだよ。
何気なく、ふらっと映画館に入った人だとか。
或いは、前情報なく、日本の映画ですか?と映画館に入ったどこかの国の人だとか。
そういう人が、不意打ちのように、泣いてしまう。
そういう芝居って、絶対にあるぜって思っている。

少なくても、この映画の自分の役に、おいらは泣ける。
なぜ泣けるのか。どこが泣けるのか。何が切ないのか。
自分で分析しなくちゃなと思う。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:04| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする