芝居を創るという稽古になった。
期せずして一番手。
実は自分でもここをやるだろうなって思っていたシーン。
もし、どこをやるっていうのが決まらなかったら、このシーン見てくださいって立候補しようと思っていた。
そのシーンのほんの一部分だけだったけれど。
一言で言えば。
あー楽しかった。
どうしよ。
楽しかった。
これはもううまく説明できない。
でも、自分なりに組み立ててきた芝居と役作りをデビさんが理解していたのが分かった。
それで、更に、こういう方向もやってみようというのでもう一回やったけど。
大きく変えるわけではなく、小さな変化も、気付いていた。
うん、そう。
もちろん、もっと全体の中でとか、流れの中で、こういう芝居になるはずっていうのでやっているから。
一部分じゃなくて、もっと前後からやりたいなぁとも思ったんだけれど。
自分なりに、最初のシーンから最後のシーンまで、こうあるべきだっていうのはもう用意している。
キャラクターもこないだの舞台から、また少し変わっていて、そこに忠実であろうと思っている。
前回の舞台の時は、山本役がなくなった分、ずるがしこさや、調子よさみたいな部分があったけれど。
どちらかと言えば、エピソード2のあった2度目の再演の頃のキャラクターに近づいているなって思う。
更にいくつかの要素が加わっている。
なぜ、そうなったか、充分に自分で裏を作っていなくちゃだ。
今日、印象的だなって思ったのは。
他の人の稽古で、撮影した後に、その再生を見て、デビさんが役者に確認していたところ。
ここは、どんな気持ちがあるの?って。
役者がぽつぽつと答えていた。
その時。
おいらは、全く別の角度から考えていた。
自分なら、なぜここで視点を動かしたか。
なぜ、セリフがこのトーンなのか。
聞かれたら即答する。
全部に理由があるから。
或いは、聞かれている時点で伝わっていない可能性もあるな。
もしかしたら、入っちゃってる状態になって、わかりませんって答える時もあるかもしれない。
自分だったら、どう対応するのかな?
そんなことを考えていた。
面白いなぁ。
これだから、芝居の事を考えるのはやめられない。
今、すごい自分の中の分解能が、高くなってる。
今日も作ってきた部分と、生まれてきた部分のバランスの調整という課題があった。
理性的な芝居、本能的な芝居。
全て詰め込むには、まだまだ、足りない。
もっともっと、やりたい。
久々だ。
この感覚だ。
この感覚の向こうに、撮影が待っている。
潰せ。
自分の中にある嘘を。
一つずつ。
一つずつ。