世界に持っていく。
簡単に言うけれど、調べればなるほど、色々な登竜門があるようだ。
そもそも三大映画祭ともなると、ノミネートされるのに大きな関門がある。
形式は様々だけど、映画を製作したらそのサンプルと申込書を各映画祭に送る。
基本的にどの映画祭も申請するのが有料だったりする。
そこまでの高額ではないけれど、サンプルの製作と、郵送費と参加費。
たくさん提出すればするほど経費はかさんでいくという事だ。
字幕は英語だけで良い様だ。
届いたサンプルを第一次審査で観る。
もちろん、サンプルを見るだけではなくて、それがどんな映画で、どんな作品か。
そんな説明もノミネートされるにはとても重要になってくる。
審査する人がいる以上、観る前から良い噂がある方が当然良い。
別の映画祭で少し話題になったとか、マーケットでバイヤーの評判が高いとか。
そういう話題が少しでも広がるだけで、芋づるのように様々な映画祭への出展が可能になるらしい。
賞レースというのは、どこでも同じなのだと思う。
それは、映画関係の人ほど、難しい事なんですよと言う。
おいらは、それを作品内容だけでも突破できるよ!と思ってる。
そういう自信をもって挑んでいる。
この作品を愛してくれて舞台を映画化することに、こんなにたくさんの人が支援してくださった。
そんなこと、これまでにあるだろうか?
この作品は、世界に届くと信じてくださっている方がこんなにいたのだから。
テーマも世界共通だと思っている。
敗戦直後からの復興とだけ書けば、戦地になった国にしか通用しないように思える。
けれども、実際には、女性の社会的弱者は、世界中のどこにでもいる。
大都市であれば、必ずそういう場所が今も存在している。
この作品が、持っているテーマは、全世界共通の物なはずだ。
ただ思うのだ。
三大映画祭にノミネートされれば、これだけですごいことなのだけれど。
そもそも、マーケットでも映画祭でも。
世界に持っていくということ、それ自体が実はすごいよなぁと。
地球の裏側の人が、セブンガールズを観るのだ。
あの歌を聴くのだ。
それは、審査する一人かも知れない。
或いは、バイヤーの一人かも知れない。
それが誰なのかなんてわからないけれど、送付してそこで誰かが目にするのだ。
おいらは、その一人を信じている。
盲目的に信じている。
年間に数百本と言う単位の映画を観るであろうその人に何かを届けようと思っている。
今までにない、新しいつながりがそこに出来る。
ただ、映画を観たというだけの繋がり。
でも、その繋がりは、糸のようなものから、綱になるまで続いていくよ。
そう思っている。
世界のどこかで。
誰かが、セブンガールズを発見する。
下北沢の小劇場で、誰かがこの作品を発見したように。
少しだけ口コミのネットワークが大きいというだけさ。
今までとなんにも変わらない。
地球の裏で笑ったり泣いたりする人が現れるかもしれない。
それだけで、実は、ものすごいおいらは、感動してしまう。
涙を使い捨てにしている誰かにまで広がるといいな。