2016年04月07日

熱くなった鉄

よく漫画家が、キャラクターたちが勝手にセリフを言い出すと言います。
毎週の連載を抱えている中、キャラクターが出来上がってくるとイメージが固まって。
自分の中で生まれたはずのキャラクターなのに、どんどん作家たちは感情移入します。
結果的に、こいつはこんなことは言わない。こいつはこんなことを言いそうだ。
そんな枠すら飛び越えて、勝手に思っても観なかったセリフを自分で書いているときがあるそうなのです。
おいらは、この手の話が大好きで、作家のペンが乗っている状態というのはアスリートにおけるゾーンにも近い、集中力と想像力とが高度に高まった状態なのだろうなぁと思っておる次第です。

デビッド・宮原のこれまでの台本でも、あ、このシーン、勢いだけで書いたな・・・ってわかる時があります。
実はそういうシーンは最近は減っていて、何度も推敲を重ねているのですが、時々堰を切ったように、ナンセンスのオンパレードみたいな、もう書いちゃったとしか言えないようなシーンが出てきます。
そんなシーンが実は、とても好きで、支離滅裂であろうと、その勢いはやっぱり、芝居にしても残っていて。
演じてトレースする作業自体も非常に面白いです。

昨晩、音楽監督の吉田トオルさんが、先日送ってくださった曲を再編集して、デビッドさんに送信しました。
おいらも、CCに入っていたので、トオルさんとデビッドさんのやり取りを一応、邪魔しないように見るだけにしてました。
アイデアを出すトオルさん、応えるデビさん。
こういう場面は、舞台でも、リハーサルでも、稽古場でも、何度となく見てきた場面です。
デビッドさんももちろんですが、トオルさんも音楽の畑でアイデアが湧きだすと止まらないです。
前に、「天から降ってくる」と表現したり、稽古場で通し稽古中に光った稲光からインスピレーションを得たり。
ああ、なんか、今、トオルさんが乗ってるんだ。って感じながら経緯を見守っていました。

その中で、実は一つ、引っかかったメールがありまして。
その瞬間、自分の脳内に、ありありと自分の体験が蘇りました。
それは、自分でも忘れかけていたような記憶です。
恐らく誰も知らない映画です。
知っている人が殆どいない映画。
おいらは、叔父のツテで、時々東急系列の映画館の招待券をもらう事がありました。
子供の頃は東映まんがまつりであるとか、ヤマトであるとか、観に行っていました。

あれは、多分、高校生の頃だったと思うのです。
久々に手にした招待券をもって、新宿歌舞伎町に行きました。
どうしてかも覚えていないのですが、一人だったと思います。
いつものように、東急系列のミラノ座に行きました。
ミラノ座は常時3本の映画をやっていました。
ミラノ1、ミラノ2、ミラノ3。
ミラノ3は、マイナーな映画をやっていて、他の上映館よりも狭い劇場でした。
当然、その日も、ハリウッドのメジャー作品がミラノ1で上映されていたはずです。
当時はSFXなんて言って、CGが出る前の、特殊効果的な表現に注目が集まっていたと思います。
いや、その頃、なんの映画が流行っていたのかも実は覚えていないのです。
おいらは、なぜか、その一番小さな劇場に入っていったのです。

そして、その内容は余りにも大人な内容でした。
別にR指定とかもなかった時代ですが、セクシーな映画なわけでもありません。
なんというか、人間の持つ悲哀みたいなものを表現する映画で、おいらは子供過ぎたのです。
想像していたハリウッド映画とは大きく違っていたのです。
ただ、その中のシーンで、圧倒されたシーンがありました。
そのシーンが急に、デビッドさんとトオルさんのやりとりの中で思い出されたのです。
ものすごいかっこいいシーンで、その内容はうろ覚えなのに、そのシーンだけは焼き付いていたのです。

普段、デビッドさんとトオルさんのやりとりは、なるべく眺めているおいらですが。
もしかして・・・と思って、そのシーンを検索したら、Youtubeに残っていて。
これ、この感じじゃないか?と、Youtubeのアドレスを転送しました。
もちろん、二人がしていたやり取りの内容とは、だいぶ、違うのですけれど。
なんというか、ニュアンスとか、意味というか、ノリというか。
それが、その映像に近いんじゃないかと急に感じたのです。その映像を思い出したのです。

そしたら。
「いいかも」「イケる」
というメールから、更に、二人のやり取りが加速していったのです。
もう、その先は、ただ眺めるだけで、なるべく二人のやり取りの邪魔をしないように。
そして、方向性が決まっていく過程に、こっそりワクワクドキドキしていたのでした。
どんどん進化していく二人の発想力に、勝手に興奮していました。

そして。
本日も1曲、トオルさんから曲が届いたのです。
既に撮影前の段階で3曲。
シナリオを読みながら聞きました。
トオルさんのBLOGを読むとトオルさんもワクワクしてくれているのが手に取るように分かります。

ワクワクするのも当たり前です。
そこに音楽が流れているのです。
そして同時に映像が流れているのです。
そのイメージがどんどん広がっているのです。
こんなの、ワクワクが止まるわけがないのです。
音楽にシナリオに、メールのやり取りにさえ。
脳内で勝手にイメージが膨れていくのです。

次の打ち合わせ日程も決まりそうです。

こういうたくさんの思いが集まって。
一つの作品になる。

ノッテいけばいくほど。
勢いが、更に、勢いを呼ぶと思います。
撮影日にそのピークが来るように。
今から、おいらは、様々な調整を考えてしまう次第であります。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:11| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする