2016年04月18日

全員の個性が炸裂する日を待っている

本日もシナリオが増える。
初稿完成まであと数週間と見えてきた。
あのシーン。そうか、そうなるのかぁ。

稽古前にミーティングの予定。
なのに、電車が強風で動かない。
結局3分遅れで到着して、すぐにミーティングをした。
各スタッフさんから要請の担当者の決定。
決まった。
それぞれが、それぞれに大変だと思うけれど。
別にこれまでと変わらないさ。
全員で作品に立ち向かっていくだけだ。

今、思い出したけど、今週は高橋にDVDを買わせ忘れた。
自分できっと何か買うと思うけれど。

飲みの席で、もし、今の芸能人でキャスティングするなら、どうする?って盛り上がった。
皆、自分の役が誰だと思うか?って聞いていた。
誰かが誰かの名前を言うと、それは違うでしょ。とかそんな話になる。
これはわりに悪いことではない。
この人が演じたらきっと、この役をこんな風に演じるなと、イメージを掴みやすい。
或いは、こんなふうに演じてほしいと思ったら、それが自分の目指す演技になってくるからだ。
より具体的にイメージできる。

別に時代問わずでいいんじゃない?と言って話してたら。
織田さんに現代の俳優じゃないとダメだ!って言われた。
なんでだろう?
昔の俳優でも映像資料はあるし、イメージできるのに。
感覚的なものだろうか?
織田さんは、特有の感覚的な発言をするからよくわからないことも多い。

それぞれがそれぞれに自分の役割を考えている。
俳優としては勿論、全体のグループの中での役割。
そして、イメージの共有を繰り返す。
この作品を知る深度がどんどん深くなる。
その繰り返しだ。

下北沢から世界へ。

簡単な事ではないとわかっているけれど。
それぞれが、それぞれに、本気で考えている。
世界に持っていくなら、どんな反応になるだろう?
想像している。

今までの舞台と同じと言えば同じだけど。
それ以上にやらなくちゃいけない。そんな風に言うメンバーもいる。

今のカメラを回した映像の稽古は、基礎の基礎の段階だ。
これがどこからか、役作りを伴った、芝居に代わっていくだろう。
今の時点でもしているけれど、もっともっと、役作りを徹底してからの撮影だ。
表情もセリフも、役になって、初めて本当の芝居になってくる。
映像だとこうなんだなぁ・・・なんていう感想を軽く飛ぶ日が来る。
その日までの今は助走だ。

こいつらにしか出来ない映画がきっとある。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:45| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月17日

仮の城

テレビに映し出される警察の背中に、広島県とか高知県とか。
全国の警察が集まっているのだとすぐにわかる服を着ている。
自衛隊も、陸海空、全ての舞台が被災者への救出作業に当たっている。
給水車が走り、炊き出しが出ている。

セブンガールズという作品が、再再演の時に思わせたのがここだ。
東日本大震災からの復興と、敗戦からの復興が、微妙にリンクしていった。
終戦直後、日本の救出作業をしていたのは、占領軍だったけれど。
戦後復興と震災の復興はもちろん全く毛色が違うと言えるけれど、前に進むという意思は同じ。
去年の10月に演じた時に、ああ、今、演じる意味のある作品だとつくづく思った。

その映画化の製作期間にまさかの震災だった。
本格的な復興に入った時期にこの映画は公開されるのかもしれない。
2度の大きな震災から、復興して、東京五輪に繋がっていく姿は。
敗戦から復興して東京五輪に向かっていった日本人の精神性と重なる部分も出てくるだろうと思う。
そう思うと、この作品を製作する意義がまた一つ増えたんだと気付く。
思いを込めて、今、自分にやれることをする。
この映画製作がもしかしたら、誰かの小さな希望になるかもしれないのだから。
まだ撮影にも至っていないけれど、そういう思いも込めないと、おかしいよなって思う。
大きな大きなテーマをまた一つ背負うことになった。


ゼロから。
マイナスから。
スタートする。
その象徴がバラック街だ。

バラック街の写真をWEB検索すると、圧倒的に海外の写真が多く出てくる。
今もあるスラムだ。
そのスラムが日本にはもうわずかしか残っていないコトがどれほどすごいことか。
日本国内で生きていたら気付かない。
震災の時に避難した仮設住宅なんか、スラムに比べたら天国だ。
その仮設住宅からの転居もどんどん計画されて実行されている。
もちろん、まだまだ仮設住宅に住んでいる方もいらっしゃるけれど、一生、住むつもりの人なんか僅かなはずだ。
スラムは、一生、バラックで済むだろうと考えている人が殆どなのだから。
バラックから抜け出す。
仮設住宅から出ていく。
日本人は、それがまるで普通だよと、当たり前に、そこを目指す。

小学校を卒業して、中学に入る前の春休み。
おいらは、初めて海外旅行に行った。
・・・と言っても、豪華な旅行とかではない。
世界中を当時旅していた従兄弟が卒業記念に行ってみるか?と誘ってきた。
それで、二人で、ツアーとかではなく香港まで行ったのだ。
まだ中国返還前の香港だった。

ツアーではないから、自分で行きたい場所を探さなくちゃいけない。
ネットもなかったから、本屋で立ち読みを繰り返して、香港を調べた。
何が食べたいとか、何で遊びたいとか、そういうのは不思議と思いつかなかった。
どこを見たい、何を観たい、そればかりが頭をよぎった。

当時の九龍城も見たかった。
指輪をして歩いていたら指ごと持っていかれるよと言われるようなスラムだった。ほぼ迷宮だった。
さすがに、そこは従兄弟に止められたけれど。
警察が来た瞬間に無人になるような深夜のマーケットは行った。
屋台が所狭しと並んでいて、やかましくて、貧しかった。
おいらは、どういうわけか、中国にもいきたいと言ったようで。
香港からバスに乗って、中国にも入った。
国境では機関銃を持った軍人がいて、そこでパスポートを提出した。
香港からだから、南京の地方の中国をバスで回り、田舎や都市を巡った。
日本とは明らかに違う土塀の建物で、たまごをトンネルに座り込んで売っているおばさんがいた。
ミミズクを捕まえて、喜んでいるお兄さんがいた。
たった13歳のおいらは、たくさんのショックを受けて帰国した。

日本人というのはちょっとおかしな精神性を持っているとよくわかったのだと思う。
島国育ちの日本人は、世界の人々の中でも、非常に体裁を気にする民族だ。
世界中の人が日本の街を清潔な街と言うのが良く分かる。
見た目も大きく、気にしているから、ぼろぼろのバラック街なんて残るわけがない。
ただそれは、あくまでも体裁なのだと思う。
見た目は普通でも、ここから抜け出せない、ここで生きていくしかない。
そういう場所にいる人はこの日本にも案外多いんじゃないかなぁと思う。
心のスラムなんてかっこいい言い方をするつもりはないけれど。
学歴、性差、人種、障害、資産格差。
ありとあらゆる差別を、この国では、巧妙に消しながら生きていくことが普通だ。
それが、全て、実際に目で見えてしまう海外での体験は、その後のおいらの人生に影響を与えたと思う。

そこから、這い上がるのは、あとは、自分次第だぜ。
そういう厳しさも、この国の国民性は持ってる。

その代わり、そこまでは、協力をする。
誰かが手を差し伸べる。
これ以上ないほど、全体が規律をもって弱者に当たる。

テレビの影響画面には、全国の警察官が映ってる。
倒壊した家屋に人が残っていないか、一軒一軒声をかけている。
震災から何日も経っていないのに、あっという間に全国から集まってる。
まず、生活の基盤が持てるまでは、全員が助ける。
恐らくきっと、あの土砂崩れや地震で壊れた村も街も。
数年たてば、あっという間に新しい建築に溢れる。
それが、日本人の底力だ。
そしてきっと、仮設住宅も避難建物も姿を消す。

セブンガールズは、そんな仮設の建物で流れる物語だ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 15:35| Comment(2) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月16日

途切れないモノ

群発する地震の中。
今、自分が出来ることは何だろう?
そう思った時に、一番はやはりいつものように自分は自分の活動をすることだと答えが出た。
地震にショックを受けて日本全体が静かになってしまってはいけない。
全員でいつものように経済活動でも、芸術活動でも、どんな活動でも続けていく。
その事が、今、被災されている皆様の復興に向けた一歩になる。
ニュースは続くけれど、テレビを消して、今日のおいらも動き出した。

先日の古賀Pとのミーティングをして。
明日は稽古場で簡単なミーティングをする予定。
その前にもう一度、ロケ候補地1に向かった。

ロケ候補地の行政、自治体には既に連絡をした。
役所のご担当者も、自治体の会長さんも、快く応対してくださっている。
候補地の地主さんにも挨拶に行ってある。
地主さんはとても快活な方で、借主さんが問題ないなら良いよ!と言ってくださる。
なんというか、とてもとても心強い。
今日は、会える方皆様に舞台版のセブンガールズのDVDだけでも手渡そうと思った。
まだスタッフが決定になっていないから紙の資料をまともに作れない。
その間に少しでも内容を知ってもらわないといけない。
娼婦の話だと伝えると、皆様、一瞬顔を曇らせる。
ポルノの撮影なんじゃないかと思ってしまうのだと思う。
ちゃんとした映画です。ちゃんと製作会社が入ります。
そのたびに伝えているけれど、何よりも舞台のDVDがあることが大きい。

ここにパンパン小屋が組めたら最高なんだよな・・・
そう思っている候補地の一角に立っていたら。
老紳士がてくてくと歩いてきた。
初めてお見掛けする方だったので、すぐに挨拶したところ、候補地の一角の彫刻スタジオの方だった。
彫刻家で、こちらの共同アトリエでは一番の古株の方だった。
来週から展覧会があり、その準備にいらっしゃったのだ。
すぐに、挨拶をして、映画撮影の趣旨を伝える。
すると、中に入れていただき、控えのプレハブ小屋で丁寧に話を聞いてくださった。

石屋さんと、木の彫刻をされている方としか話していなかったけれど。
石屋さんとこちらの方が、このアトリエを開いたような方だった。
そして、様々な話の中で、とてもとても良いお返事を頂いた。
こちらのアトリエは、4人の共同スタジオで、あと一人の方に確認が取れたら問題ないと言ってくださる。
しかも、撮影予定の日程は、恐らく展覧会で、無人だという。
とてもチャーミングな笑顔をする方で、俺の彫刻にはギャグが入ってるんだ!なんて言う。
木を削り、石を砕き、作品を創り、それを何十年も繰り返してきた方だ。

正直、今週、予算組を再度考えていて、本当に実現できるのかよ!と弱気になった瞬間が何度もあった。
もちろん、ご支援いただいた以上、絶対に実現するのだけれど、限られた予算の中で出来る範囲がある。
その範囲を小さくしたり、妥協していったり、或いは公開のための予算を削ったり。
そういうことをしないと、厳しいんじゃないかと何度か挫けそうになった。
その難しいいくつものことが、今日の挨拶で、数十%も軽減することになると思う。
都内だから、移動費も宿泊費も全て掛からなくなる。
都内だから、美術製作を今から少しずつ手を付けることが出来る。
都内だから、美術製作期間を短くすることが出来る。
その上、場合によっては、資材を空いているスペースに置かせてもらえるかもしれないことになった。
もちろん、まだあとお一人共同の所有者がいるから、わからない部分もあるけれど・・・。
どうかどうか、その方にも気持ちが届けば・・・すべてがうまくいく。

ある映画でね。
山門を撮影していたというんだ。
いち風景としてさ。
で、用意、本番、スタート!って録画を開始したらね。
当たり前のように、野良猫が山門に現れて、あくびをしたんだって。
カット!OK!
それはね、映画ではとてもよくある奇跡らしい。
ただの風景が野良猫が来たことで動きのある素晴らしいカットになった。
計算していないのに計算したかのように現れた。
そういう奇跡が映画では起こるんだって。

おいらは、こんな幸運はないと思う。
普通、新橋のバラック街を再現しようと思ったら、大変な事だ。
スタジオを借りてセットを組める予算があれば、もちろん、絶対にそうするだろう。
それ以外なら日本全国の中からいくつかロケ候補地を決めて、数か月かけてロケハンして決定していく。
そのロケハンだって、移動費、宿泊費、人件費が掛かるんだよ。
それが、自分の足でこんなに早い段階で見つかって、しかもそこの方たちが皆さん良い方なんて。
ロケハンに監督やスタッフさんを呼ぶにしても、電車で来れるなんて。
そんなこと、実際にはありえないんだよ。少なくても聞いたことがない。
良く見つけたなぁとか、執念だな小野寺の、なんて言うやつもいるけどさ。
やっぱり、これは運だと思う。

セブンガールズの映画化には何かがあるとしか思えないよ。
クラウドファンディングの感動的な達成から、ロケ候補地まで。
何かが誰かが、映画を撮影しなさいと、誘導してくれているかと思う程だ。
一生分の運を使っちゃってるのかもしれない。

もうさ。うん千万なんていう大きな予算もないし。
出来ることは、自分が一生懸命になれる情熱だけだもん。
やっぱり、応援してくれた皆様に応える義務があるしさ。
自分の持てる情熱の全てをこの映画に懸けなくちゃいけない。
おいらの持てる武器は、情熱だけさ。

もう一人、逢えたらいいなって思って。
彫刻家の方と話が終わっても暗くなるまで待ってた。
結局いらっしゃらなかったんだけどさ。
そしたら、準備を終えた彫刻家さんが帰り道おいらを見つけて。
え?なんでまだいるの?
っていうからさ。
ここの人にももう一度逢いたいんです・・・って伝えたの。
そしたら、立ち止まって、もう一度、色々話をした。

20年近く劇団を続けてきたことに、大変な事だねぇ。と言ってくれて。
暗くなるまで一人で待っているおいらにニッコリ笑ってくれた。
ああ、何十年も彫刻を続けてきた人には伝わっている。すぐにわかった。
気持ちを傾けていること。情熱しかないコト。その全てが。
福島で個展を開いた話や、熊本への思いも話す。
DVD、絶対に見るから!って帰っていった。

暗くなった集落で。
おいら、感動していたんだ。

この映画は、生まれるべくして生まれる。
撮影されるべくして、撮影される。
これはもうすでに運命的なんだ。
そう思わないと、こんなにたくさんの偶然が重なるわけがない。

その理由はまだまだ先の話だけれど。
絶対に形になるって、おいらは思った。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 20:37| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする