2016年04月21日

まず大人が夢を見ろ

最新の映画のランキングを見る。
中々衝撃的だった。
映画会社が原作のある作品に資金投入する意味が分かる。
興行成績がそのまま反映されるのは仕方ない話だ。
それにしても、この今週のランキングはすごいなぁ。
ちょっと信じられない感じがする。
こういう中にセブンガールズを持っていこうと思うのだとすれば大変な話だ。

経済の観点から映画をみれば、舞台に比べて、規模が違い過ぎる。
映画館の運営会社、製作会社、映画会社、各スポンサー、プロダクション、各技術スタッフ、レコード会社。
とにかく、一つの映画にかかっている、経済波及効果が広すぎるし大きすぎる。
興行成績だけではなくて、DVD売り上げなども見込んで、売り上げが見込めないと中々製作できない。
結果的に、原作ものが多くなったり、キャストが決まってくる。
大変だなぁと思う。
映画製作者たちは、今、何を思うだろう。
このランキングに対する思いはきっと映画製作者の方がより強いと思う。

おいらは、夢という原動力で動いている。
ガス欠にならないように注意しながら。
エンジンをフル回転している。
経済活動という目で見れば、ばかばかしいのかもしれない。
おいらは、そんな風に思ってないけどね。
むしろ、すごい経済活動なんだけどなぁって思ったりもしているんだけれど。
確かに、規模だけで考えれば、この企画では、そう言われたっておかしくはないだろう。

でもね。
こんなことが今週にあったの。

飲み屋でさ。
とある劇団員が口にしたんだよ。
「小野寺は、本気で海外に出展すれば、ノミネートされたり賞を取ったり出来るって信じてるんだよ、どう思う?」って。
瞬間、そこにいた皆が黙ったのね。
・・・いや、なんとかなるような気がする・・・
ぼそっと、誰かが口にしたのね。
そしたら、次々と。
・・・うん、可能性はあると思ってる・・・
・・・ひょっとしたらって、思ってるよ・・・
・・・わかんないけど、ありえるって思う・・・
そんな言葉が次々とそこにいたメンバーの口からこぼれてきたの。
おいら、まぁ、よく言われるんだよ。そういうのね。
信じてるんだなぁ、お前は。って。
でも、まさか、そこにいた殆どのメンバーが、皆、何かを信じて、何かを期待してるなんて。
ちょっと、これはすごいんじゃないかなって思ったんだよ。

下北沢の小劇場で舞台をやってる役者たちが。
世界の舞台で戦えるって、本気で思ってるんだなって。
おいらみたいなドリーマーとは「仕事したくない!」なんてデビさんは言うけれど。
そのおいらだけじゃないんだよ。今や。
こんなことってある?あるかなぁ?
そりゃ、ちょっと前までは、夢物語だったと思うんだよ。
少なくても前回の舞台本番の時の雰囲気は、そっちの方が強かったと思う。
もちろん、実現に向けて頑張っていたんだけどさ。
どこか、でも夢だよな・・・って思っている自分がいたはずなんだ。
それが、こんな変化の仕方をする。

だから、あえて、「ばかばかしい」ってもう一度思うようになった。
でも、その「ばかばかしい」って言葉は決して、ネガティブイメージの意味ではない。
もっとポジティブな。
いうなれば「ギター馬鹿」とか「役者馬鹿」とか、その類のばかばかしいを感じたんだよ。
なんとまぁ、ばかばかしいんだろう。
一生懸命になってさ。
本気で、この映画を世界に持っていこうって話してるんだから。

今ね。
恐ろしいほど現実的な事を地道に一つ一つ潰していってる。
今週末の予定もあっという間に埋まっちゃったよ。
毎日毎日、あ-でもないこーでもないって、考えては取り組んでる。
ともすれば、この作業って、普通の会社がやるような作業さ。
まったくもって、クリエイティブではないの。
何かを生み出す創造的な場所に立ちたいがために。
何も生み出さない地道な作業を続けている感じ。
でも、大してストレスも感じてないんだな。
ガスが切れないんだな。

TOYOTAでも、松下でも、CANONでも。
次々に日本の会社は世界に進出していった。
それは、ただの経済活動ではなかったんじゃないかなって思うよ。
日本国内のマーケットだけを見ることだって出来たはずなんだから。
資源のない敗戦したこの国が世界で生き残っていくには、製造業が世界に進んでいかなくちゃいけない。
そういう使命感と、大きな夢を持っていたからこそ、今がある。
家電業界は、今になって、だいぶ、ガタが来てるけどさ。
肝心要の、ねじなんかの細かい部品は未だに日本の町工場が支えてる。
やっぱり、ガスが切れなかったんだと思うんだよ。
世界一の車屋になる!!なんて言って、笑われた日もあるかもしれないよ。

一番思ったのは、確かに今週の映画ランキングは、今の映画の動員を思い切り表しているけれど。
マーケットを国内の動員数だけに絞って考えているんだなって事。
たくさんの映画業界の人たちとその家族が、ご飯を食べなくちゃいけないんだから、しょうがないけれど。
でもたった一億の国民しかいない日本でヒットするよりも、世界中でヒットさせちゃえばさあ。
最大50倍近く、人口がいるんだから。
広く広くマーケットを考えてもいいと思う。
世界中でヒットするような映画を日本映画界は、考えるべきだし、製作するべきだと思う。
それが叶わなくても、何度も何度もチャレンジするべきだよ。

ばかばかしいかなぁ。
うん、ばかばかしいね。

でも、ばかばかしいって、最高じゃないか。
最高にカッコイイ、イカしたやつって。
全員、ばかばかしいんだぜ。

思うんだがね。
大人が夢を見なくなったら、終わりだよ。
この世界。
子供の夢とは、ちょっと意味が違うんだから。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:47| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月20日

100年分のいち

「たまたま」「偶然」
何かを成し遂げるとき、そういう事が起きる。
それは運としか言いようがないことなのだけれど。
何かをやる時に大きく運が左右するのは誰だって知っていると思う。

今回の「セブンガールズ」では、次々にそういう幸運が廻ってきている。
風が吹いているなぁとつくづく思うのだけれども。
クラウドファンディングの感動的な達成。
ロケ候補地が早い段階で見つかったこと。
他にも、いくつもいくつもの幸運が重なっている。
まるで、誰かが、映画を撮影しなさいと言っているような。
そんな運命的な何かを感じると何度も書いた。
何度も書ける時点で、ちょっと、すごいんじゃないかって思うのだけれども。
またしても、そんな、幸運が廻ってきた。

当時のパンパン小屋や、バラック街を再現するのはとても大変な事だ。
そう見える場所が必要で、そう見える建物が必要だ。
その上、今回は、室内のシーンもある。
それを、更に低予算で実現するという事がどれだけ大変な事か。
幸い、大量の廃材をこれまた幸運なことに手に入れることが出来て、更に幸運なことに置いておく場所が見つかった。
そこまで行けば、美術の材料費を大きく大きく削減できるだけではなく、リアルになると書いたばかりだ。
それは、つい先週の事のはずだ。
けれど、パネルや、トタン、場所だけでは、美術は完成しない。

舞台のセットなんかを見ていてもわかると思うけれど。
「建具」と呼ばれている物や、その他のものは、創るよりも本物を手に入れたほうが早いしリアルになる。
セブンガールズで言えば、その引き戸であったり、パンパン小屋の前にある椅子であったり、入口の向こうの障子であったりだ。
パネルで建物を組み立てて、本物の扉や椅子を配置していく。
そして、それが、時代感を生み出して、リアルなセットになっていく。
所謂、装飾という奴で、これが、むしろ美術の肝だったりする。
ドラマでも映画でもテロップを見るとわかるけれど、大抵「高津小道具」という会社がスタッフロールで流れる。
日本で最大の小道具レンタル会社で、ありとあらゆる装飾品を借りることが出来る。
もちろん、ここも有料だ。
いつもの舞台では、美術の杉本さんのスタッフが、高津でのピックアップをして、それを杉本さんが活用して美術を完成させる。
今回は、室内セットもあり、舞台よりも必要量が増えるし、予算が限られているから、装飾担当を創って欲しいと頼まれていた。
どこでどんな装飾が必要か、時代感が出るのか、そして、予算内でどこまで借りることが出来るのか。
専属で担当者がいると、杉本さんのスタッフが動きやすくなるという事だった。

おいらは、この装飾レンタルもなんとかしなくちゃなぁと思っていた。
装飾小道具担当を日曜に決めたばかりのタイミングだったから、思い切って頼んでみる。
実は、ここ数か月で廃業した老舗の旅館が関東近郊で数軒あることを調べてあったからだ。
旅館は清潔にしているし、布団などの寝具なども、数多く備えてある。
廃業となれば、大量に廃棄物が出るんじゃないか。もしかしたら少しは貰えるんじゃないか。
うっすら、そんな風に思っていた。
おいら自身が余りにも色々なところに連絡をしているから、折角決まった担当に、今回は連絡をお願いしてみたのだ。
廃業しているから電話も通じないかもしれないけれど、ダメもとで一応、この廃業する旅館全部連絡してみてくださいなと。

一発ツモだった。

あのロケ地を見つけた時同様に声が出た。
連絡した老舗旅館のうちの一つが、快く、引き取りの了承をしてくださったのだ。
それも、明治から続く100年以上の歴史を持った旅館だ・・・。
時代物のこめびつなんかもあるという。
鏡台などもあるという。食器類まで揃っているそうだ。
寝具も10組以上、もらってくださいと言ってくださる。
どれも、それがそこにあるだけで、時代感を出してくれる一品のはずだ。

すぐに、監督のデビッド氏と美術監督の杉本さんに速報を出す。
2人に、これが手に入るといいというものがあれば教えてくださいと。
レンタル品を減らす予算削減だけではなくて、プラスになるものもあるかもしれない。
デビッドさんは、いわゆるパンパンらしい一品だけをあげる。
杉本さんは、さすがにフスマとか障子とかの建具を内見してきてほしいと連絡が入る。
もちろん、建具まで頂けるかはまだわからないのだけれど。
取り壊しが数か月後だから、それまでに必要がなければ、頂けるかもしれない。

レンタルではなく、頂けることが、どれだけ大きなメリットがあるか。
極論を言えば、頂いたものは壊してもいいのだ。
アクションで、人が吹っ飛んで、障子戸が壊れるなんていうことだって出来るという事だ。
部屋の数だけふすまを頂ければ、その分、レンタル費用が安くなり、しかもリアルになる。
それも、全て、100年以上の時代ものだ。

こんな偶然あるだろうか?
100年以上の歴史を持つ旅館が、「たまたま」最近廃業したっていうだけでミラクルだ。
丁度、そこの営業停止と取り壊しの間の期間で、少し遅れていたらもう頂けなかった。
それも引き取りまでOKをくれるなんて・・・。
「偶然」というには出来すぎている偶然じゃないか。
数か所連絡してそこだけだったように、ダメで元々で連絡してもらったのだ。
ダメだろうなぁという予測の元、それでも挑戦してみただけなのだ。
それが、こんなにもあっさりと、頂けるそうですと連絡が来たから、驚いた。
今日まで、色々なところに連絡して、何度も驚いてきたけれど、これは最大級に近い驚きだった。
それに、廃材を置かしてもらえる場所がみつかっているから、保管も出来るだろう。


近日中に内見に行く。
写真を撮影して、杉本さんにピックアップしていただかないといけない。
そこに足を踏み入れるだけでも、感動してしまうかもしれない。

それにしても。
きっと、この映画に映る。
40年近く芸術を生み出し続けてきた場所で。
100年以上も使い込まれてきた道具で。
そんなの映像で見てもわからない?
わからないだろうけれど。
でも、それは、空気感として、絶対に映ると思う。
これ以上ない説得力として、そこに。

アイデアと行動力と情熱。
絶対に不可能な事なんかないのだと、やっぱり思った。
大きな大きな前進だ。
頂いた物はリスト化されて、杉本さんに写真添付の上で送られる。
それを見て、更に、美術プランが完成していく。
生み出されるパンパン小屋がどんな姿になるのか。
想像するだけで震える。
場が整えば、パンパンたちの芝居も、乗っていくのは明らかだ。
それは、舞台で何度も経験している。
音楽が流れたり、セットの中に立った瞬間に、芝居が変わるのだ。
その為だったら、なんだってする。

しぼりだせ、脳汁。
まだまだ、何か思い浮かぶはずだ。
おいらの経験は、こんなものじゃないさ。
大抵は外れくじでも、たまには一発でツモるんだ。
そして、それがまた一歩、前に進めてくれるんだから。

たまたまかな?
偶然かな?
そんなに簡単な事とは思えない。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:16| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月19日

技術でも感情でもないもの

ハリウッドの俳優と日本の俳優の違いがどういうものか意外に知っている人は少ない。
日本の俳優ですら、あまりよく分かっていない人も多いらしい。
日本にいるとなんだかちょっと信じられないけれど、アメリカにはプロダクションというものがない。
テレビを見ていれば、芸人さんでも俳優さんでもプロダクション名を出すことがあるし、それが普通だけど。
実は、アメリカから見たらそれはとてもおかしなことらしい。

では、ハリウッド俳優がどうやって仕事を取って、どうやって自分を売り出していくのかと言えば。
それは、エージェントという職業があるからだ。
エージェント契約をすると、エージェントは俳優と話し合い仕事やオーディションを探す。
時には、俳優にこの映画に挑戦したらどうだ?と勧めることもあるし、俳優からこんな映画に出たいと頼まれたりする。
ただし、日本のプロダクションと違って、マネージメント業務は一切しない。
仕事を探して、その仕事のギャランティの中から、エージェントは手数料を取る。
マネージャーは、だから、俳優は自分で雇うことになる。
スケジュール管理などは、自分で探してマネージャーをつけるのだ。
税金などは、専属の税理士に頼む。

だから自分の売り出し方は、必然的に自分で考えることになる。
セルフプロデュース。
どんな仕事が自分に合っているのか。
どんな監督と仕事をしたいのか。
自分で、未来の自分を思い描く能力がそのまま俳優の能力になってくる。

そして俳優たちは、全員が個人事業種みたいなものだから、当然、労働組合がある。
この労働組合に所属しないと、映画には出ることが出来ない。
俳優組合に所属するには、アクタースクールに通った学歴と、作品に出た履歴が必要になる。
その代わり、どんな映画に出演しても最低保証賃金などが約束される。
俳優は、組合に守られている。

日本のプロダクションという形態には、もちろん、良い部分もあるし、悪い部分もある。
逆に、良かろうと悪かろうと、合う人間と合わない人間もいるだろう。
ただ一つ言えるのは、ハリウッドでは、次から次へと、才能を持った俳優が生まれているという事だ。
個性的で魅力的な俳優が、突然現れる。
彼らは誰かが売り出したのではなく、自分をプロデュースし、様々な難関を越えてきた俳優だ。
アクターズスクールで優秀な成績を収め、数々のオーディションで噂を創ってきた。
そういう実績で、優秀なエージェントに出会い、俳優組合にも入ることが出来た人間という事だ。

ショービジネスの国と、旅回り一座の国の、芸能の歴史の違いがそのまま出ているともいえる。

今、日本で俳優をちゃんと育てている場所はどこなんだろう?と考える。
かつての日本映画全盛の時代は、映画会社が俳優たちを育てた。
五社協定と言って、各映画会社所属の俳優は他の会社の映画には出演できなかった。
でも、今はそういう時代じゃない。
映画会社は俳優を育てない。
プロダクションは、もちろん、俳優教育をするようになった。
教師を雇って、若手にレッスンをする。
そうやって、自分の会社の俳優を作り上げていく。
最近は、ワークショップなんて言うのもある。
どこそこの映画監督のワークショップ参加者募集!なんてのを見かける。
映画監督は映画の撮影法を勉強してきた人で、芝居なんか勉強してきてないんだけどね。
客観的な意見は言えても主観的な俳優の肉体感覚は教えられるわけないのに。
とにかく、映画俳優を目指している若い人は、プロダクションに所属してレッスンに通うか。
自分で、ワークショップを探して、行ってみるしかないという現状なんじゃないだろうか。

実際、今、おいらより上の年代の、名優と呼ばれる俳優を見ると、殆どが小劇場出身俳優だ。
本当、映画や映像の世界だけで、この年まで続けてきた人がなんと少ないだろう。
そして、個性的と呼ばれる俳優の殆どが、小劇場が育てたという現状をどう思っているんだろう。
結果的に、映画俳優になりたいから小劇場の世界に来るというラインも出来ていく。

日本の形態でももちろん、鮮烈な若い才能が現れる可能性はある。
良く言われるのが、凄いやつはどこにいたって凄いという意見だ。
アメリカのシステムでも、日本のプロダクションでも、凄いやつは出てくるんだよってさ。
そういうことはもちろんあるだろうなぁとも思う。
でも、なんか混ざってるよなぁとも思う。
自分で出てきた奴も日本にはいるけれど、誰かが売り出した俳優も混ざってる。
十代じゃ自分の売り方なんてわからないよと、同じ人間が言う。
凄いやつは凄いと、言ったそばから。

小劇場出身の俳優が、30後半を越えて、メディアに登場し始めるのはそんな下地があるからだと思う。
小劇場の世界で、セルフプロデュースを自然と身に着けている。
自分という俳優を知り、自分の出し方を知る。
経験から、自分というキャラクターが完成されている。

セブンガールズという作品は、どんな作品になるだろう?
そしてそれは、どんな俳優が出てくるだろう?という意味にもなる。
小さな村社会だ。劇団なんて。
それでも、この劇団の中で、自分の立ち位置で悩んだり、キャラクターを模索してきた。
それは、小さい世界でのセルフプロデュースだ。
映画の世界では、新人なんて言われるのかもしれないけれど。

自分を思い描く力。
それを18年かけて、養ってきたのかもしれない。
それは、技術ではないし、感情とかでもない。
純粋な自分の見せ方の問題だ。

つまり。
映画という物語の奥に。
俳優の生きざまが現れると、おいらは思ってるってことだ。

それを今回しなくちゃいかんのだ。いかんのだよ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:28| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする