2016年03月10日

扉の向こう側

先日お伝えしたロケ候補1。
梅の花が咲く里のまるでそこだけ時間が止まったかのようにトタン建築。
今週にも管理していらっしゃる方に会いに行くのだけれど、事前に写真だけ撮影しておいた。
美術さんや関係者各位にどのような場所か写真の転送をしておいたのだけれど・・・。
なんと、美術の杉本さんが、わざわざ足を伸ばしてくださった。
ここで出来るコト、出来ないコト。
様々な意見を下さいました。
なるほど・・・と、思っていたら。
杉本さんの所の、齋藤さんから、なんと図面が届きました!
地図から起こした、全体の図面ですが、ざっくりとは言え、面積などもわかるし、驚きました・・・。
早い・・・!
一緒に、Youtubeに上がっている当時の映像や、当時の資料をPCに取り込んだものなど転送いただきました。
見れば見るほど、この写真のようなバラック小屋が出来れば・・・
そう思わざるを得ませんでした。

さて、皆様。
舞台のセットを覚えていらっしゃるでしょうか。
斜めに傾いだパンパン小屋。
扉があって、目の前には椅子が置いてある・・・。
両隣にも、同じような建物が建っている。
あのセットです。
セブンガールズは、ワンセットで、室内のシーンでは暗幕が下りてきて、区切るようにしてありました。

もちろん、映画では、暗幕で区切ってそこを室内とするのは無理があります。
目の前に役者がいるという圧倒的な存在感があれば、幕だけでも舞台だったら成立します。
ですが、映像であれば、やはり、室内のシーンでは室内のセットが必要になるのです。

つまり。
舞台にもあったあのパンパン小屋の扉。
あの扉の向こう側が、映画では登場することになります。

・・・と、書いてしまうと簡単かもしれませんが。
「扉の向こう側」とはつまり、美術だけではなく、観念的な意味も含んでいます。
娼館の扉の向こう側ですから・・・。
つまり、そこはパンパンたちが実際に、体を売っていた場所です。
そこの表現もどうしたって出てくるという事です。
体を売っていただけではないです。
同時に、そこに生活もあったはずです。
つまり、パンパン小屋の扉は、「オモテ」なのです。
人間でいえば「顔」です。
でも、「ウチ」があります。表情ではなく、その奥です。

喘ぎ声が聞こえる中、飯を食う。
そんな日常が、普通にあった場所です。

もちろん、そこでどんなシーンが展開するのかは、今はデビッドさんの頭の中にしかありません。
ただ、演じ手はその覚悟が必要です。
その空間で生活していることが、日常であるという人物になること。
そこをまずクリアすること。
そこが大事になってくるって思っています。

それをね。
演じることってすごいことだなぁって思いますよ。
パンパン役はもちろんだけどさ。
男達だってそう。

扉の向こう側。
まだ、お客様もおいらたちも誰も見ていないそこに行くには。

まず、扉を開けなくてはいかんのです。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:34| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする