2016年03月06日

本当は皆が君を待っている

今頃、劇団の女優たちは風呂上りに浴びるほど化粧水を肌に染み込ませ。
それ、膜状に固まっちゃうんじゃないのというぐらい乳液を塗ったくり。
美顔ローラーで、ゴリゴリと肌の下にあるリンパを流し、表情筋を鍛えているでしょう。

なんとなく何人かがダイエットだの、なんだのと書き始めています。

先週、デビッドさんがミーティングの時間に最初に口にした言葉が。
「痩せて。肌とかは大丈夫だと思うけど。やって。」
でした。
厳しい一言と言えば一言です。
実際に、食糧のなかった時代だし、役の中には病気という設定もあります。
あまり飽食の時代の感じが出てしまうと、リアリティがなくなります。
冗談で、ヒアルロン酸注入は禁じます!とか言ったけど・・・。

日本アカデミー賞で、「百円の恋」の安藤サクラさんが、最優秀主演女優賞を受賞しました。
名前が呼ばれた時、本人が一番驚いていました。
優秀賞に選ばれたメンツがメンツですから・・・。
超ベテラン女優などもいたわけで、自分だと思っていなかったようです。

もちろん、理由はそれだけではなかったと思います。
助演男優賞の際に言っていたけれど「百円の恋」は低予算映画だったそうです。
上映館も始めは数えるほどで、それが噂を呼んで少しずつ上映館を増やしていった。
それはこれまでの日本アカデミー賞の歴史で考えても受賞するような作品じゃないという事です。
映画会社も深くかかわっている日本アカデミー賞ですから、驚いたのだと思います。

その上。
この作品で、安藤サクラさんは、ほぼスッピンでした。
従来の女優様という存在からは遥かに離れた演技でした。
むしろ、女優がそんなにまでしていいの?というぐらいストイックに顔を崩してボクシングをしていました。
殴り、殴られ、その上、顔を腫れ上がらせて。
そういう役での主演女優賞というのは、あまりなかったのではないでしょうか。
役者からすれば、とてもとても納得のいく受賞でした。
「綺麗」とか「銀幕の薔薇」とかも女優です。
でも、「演技」をこそ認められたというのは、とても好感を持ちました。

おいらは、うちの女優のお芝居をわりに信じています。
恐らくデビッドさんよりも、数段楽観的に観ています。
売れてるとか売れてないとかっていうモノサシを外しちゃえば。
全然、演技が劣ることなんてないだろうと思っています。
自分を目立たせる方法とか、自分を輝かせる技術とかではなく、あくまでも演技の事です。
そして、作品に準じられる女優が何人もいます。
自分自分で目立とうとする技術なんか、どうでも良いと考えれば、充分な実力だと思います。

でも、そんな皆にデビッドさんは、やせろ指令を出したのです。
もちろん、痩せているメンバーもいるのですけれど・・・。
やはり、そこは美しい方が良いだろうということかもしれないです。
でも、それだけじゃない気がします。
気の持ち方。そういう部分でもあるのではないかと思うのです。

今、きっとテレビを観ながら、美顔ローラーをグルグルやってる女優がいます。
まだ世の中的には無名な女優です。

地道な積み重ねが、彼女たちを輝かせる日がきっときます。

ん?


痩せろって。
おいらに対してか?
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 02:18| Comment(0) | 映画製作への道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする