「支援した方のフィードに表示された画像」 BY MotionGallery
クラウドファンディングが終了した。
211名 119% 4179777円。
目標金額を遥かに越える資金が集まった。
最終日だけで36名46万円以上。最終3日で200万円以上が集まった。
今、SNSはたくさんの劇団員のお礼の言葉であふれている。
おいらは、少し茫然としたままこの60日間を振り返るように、一つずつ、コメントを読んだ。
おいらは、この「セブンガールズ」という作品の持つ力を信じていた。
最後の最後の一瞬まで信じていた。
Youtubeに公開した映像を観ての感想を読んで、強い強い勇気を持った。
舞台を観に来たことのない方が、支援してくださった。涙を流してくださった。
そして、動いた心は、強い強い力になって、大きな風になった。
Youtubeにアップした映像は舞台の記録映像だ。
ちゃんとした記録が必要だからと近年は編集された作品を残すようにしている。
あくまでも劇団の資料として残しているものだけど、折角だから、会場のみで販売もしている。
その映像での作品が、大きな大きな評価を得て、形を作った。
だとすれば、この「セブンガールズ」が、映画として再構築された時に、どうなってしまうだろう?
全米が泣いたなんて、最近はギャグみたいに使うけれど。
海外の映画祭で、涙を流すお客様が出てくるかもしれないんだよ。
ゾクゾクする。
審査員なんか全員、号泣させちゃえ。
この作品が持っている力に、今、武者震いしている。
絶対に、この作品は、その力を持っている。
「役者」という商売とは何ですか?
もし、そんな質問をされたら、今のおいらはなんて答えるだろう。
商売と言えるのか?と聞かれても、商売と言う他はない。
クラウドファンディングだけじゃなく、おいらたちは、皆様からチケット代を頂いて板に立っている。
今回の企画だけではなくて、これまでだって、多くの皆様の支援で役者を続けていたんだ。
そんな皆様の前で、趣味だなんて言えると思うか?
おいらたちがやっている「役者」は商売だ。プロだ。
だから、役者って何ですか?と聞かれたら答えなくてはいけない。
今のおいらは、端的にこう答えるだろう。
「普段は目に映らない心を、見えるようにする職業」と。
別にトンデモな話でも何でもない。
舞台に立つ役者は全員同意するはずだ。
例えば、自分の相手役が緊張してるなとか、焦ってるなとか。
板の上に立つとそれが手に取るようにわかる。
目と目が合うだけで、一瞬で恋に落ちることがある。
すすり泣くお客様の吐息を感じて、芝居が変わることがある。
背中合わせの役者が、同時にセリフを口にすることが出来る。
お客様の拍手に、ああ、良い拍手だ!と感じることがある。
・・・とにかく、役者は目に映らない筈の心が、見える。
本当だよ。嘘じゃないよ。
このBLOGには、裸の心で包み隠さず経過を書いてきた。
お客様の中には、おいらの心まで見えてしまった人がいたと思う。
舞台が終わって、劇団員たちが熱心になっていくと、その心は急速に広まった。
皆の思いは、絶対にたくさんの人に届く。
おいらは、それが手に取るように分かった。
同じように、応援してくださる皆様の思いが、どんどんおいらの心の中に押し寄せてきた。
今。
ご支援くださった皆様に約束することがある。
クラウドファンディングは、夢の実現に向けて、情熱を皆が燃やしていた。
目に見えやすかった。
ここからは、違う。
もっと目に見えない戦いが次から次にやってくる。
そんな時に。
今日の。昨日の。一昨日の。
この情熱をキープしたまま、映画製作に挑みますという約束だ。
劇団前方公演墳という劇団は。デビッド・宮原の描く作品は。
いつしか、目の前のお客様の為だけに創られるようになっていた。
誰かタレントを売り出すための作品でもなく、企業広告でもなく、前衛でもない。
ただただ、どうやったらもっとお客様が面白がってくれるだろうか?
そういう視点だけで、舞台を創ってきた。
メッセージはあれど、テーマの強要はない。
楽しくて、笑えて、にぎやかで、泣けて、ぐっときて、元気になれる。
そんなことばかり、17年以上も繰り返してきた。
客に媚びてるなんて揶揄は無視だ。
高尚な演劇だとか芸術だとかな意見なんて、屁の河童だ。
面白いものを作る。それだけは重要なんだ。
このスタンスの映画を、作るんだ。
それも、こんなにたくさんの皆様に繋がっていった情熱を持ったまま。
夢のようだぜ。
デビさんが映画を作って何人かが出るとかですらないんだよ。
デビさんが脚本監督で、劇団員で映画を作るんだぜ。
しかもそれを世界に持っていこうっていうんだから。
そんなこと、おいら以外に誰か一人でも想像したかな・・・?
今まで培ってきた、自分たちの全てをぶつけて、勝負できるんだ。
支援が相次いで、感情的になって。
ぐっと来てたんだけど。
涙は流れなかった。
心は感動で泣いてるんだけど、涙は流れなかった。
おいらが、涙を流すのはもっとずっと先だよ。
今は、嘘みたいだと驚く皆が泣いていればいい。
酒を煽ればいい。
さあ。
また立ってしまったっよ。
この扉の前に。
痛い思いをするのなんかわかっているのに。
やっぱり、この扉の前においらは立っちまうんだ。
ドアノブを握れば、どれだけのトゲが刺さるかな?
ドアノブを回せば、骨がきしむかな?
久々だな。
大丈夫。
なぜなら、おいらは、強いから。
この世の中で一番強いから。
痛くても、その道を歩けるから。
裸で裸足で、笑いながら、スキップしてやる。
皆様ありがとうございました。
そして、これからも、どうか共に歩んでください。
皆様の前に立ち、この映画を観ていただくその日まで。
感謝は、これからの行動で示します。
その日には、涙を流すかもしれません。
さて。
船を出そう。
17年の時間と、211名の皆様と、仲間を乗せて。
おんぼろエンジンだけどしぶといのさ。
よし。今からが新章の始まりだ。