2016年01月20日

【公開27日目】笑うこと

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「お調子者」 2015 前方公演墳/「劇」小劇場 撮影 SKY 
舞台のセブンガールズでは実はいくつもコメディ部分がある。
映画になった時に、それがどうなるかはわからない。
舞台特有のコメディもあるからだ。
映画になった場合、コメディだとしても、シュールになると思う。
生の舞台ではベタの方が、お客様のリアクションが強くなるから効果的だからだ。

笑うことは、物語を進めていくうえで、とてもとても大事なことだと認識している。
前方公演墳の作品は、思わず声を出して笑ってしまうシーンが必ずある。
単純に面白いからだ・・・というだけではない。
笑うことは、観ている人に様々な変化をもたらすからだ。

肩ひじ張って、お芝居を観ている人も、一度笑うだけでリラックスする。
笑った人は、言ってしまえば、心が開く。
どんなに泣けると言われる物語でも、物語に感情移入していかなくては、中々泣けない。
そこが俳優の腕の見せ所なのだけれど、演出上で言えば、感情移入の前段で笑わせるというテクニックがある。
お客様がリラックスして、心を開いた状態で物語を受け入れていけるように緻密に計算してあるのだ。

それに笑いは、予想通りの笑いだけではなくて、意外な笑いもある。
まさか、こんなところで、こんなことをするとは!?というフイをつく笑いだ。
最近、おいらはその手の笑いを必ず一か所はやっている気がする・・・。
それも物語を進めていくうえで、大きなことだ。
絶対に笑いになるはずがないところで、くだらないことを言う。
その展開は、次の展開が予測できないんだよ。という前提になる。
舞台や映画を観ていると、どうしても、次の展開を予想しながら観てしまうことがある。

そういう精神状況をいったんほぐすことが出来る。

映画でも良い作品は、必ず笑いが潜んでる。
大爆笑するような笑いもあるけれど、そうじゃなくて、くすっとしてしまうような小さないたずら。
でも、それは、物語の構成上、計算された笑いかもしれない。
映画だとシュールな場面なんかがすっと差し込まれたりしてる。

クライマックスに向けて、笑いも大事な大事な物語の一部だという事だ。
俳優によっては、シリアスの方がすごいとか、コメディはやりづらいという人もいるかもしれない。
けれど、一流の俳優ほど、コメディが出来て、初めて俳優だと口にしている。
お客様が涙を流すことと、声を出して笑うこと、どちらも心を動かすという意味では同じ。
どちらの方が難しいかと言われればとても難しいけれど。

初めて、男はつらいよを映画館で観た時にカルチャーショックを受けた。
正月映画だったのだけれど、隣のおばちゃんが、爆笑しながらおいらの太ももを叩いたからだ。
こんなことが映画館であるなんてと、とてもとても驚いた。
それでいて、最後には、えぐえぐおばちゃんは、泣いていたよ。
すごいなぁ。すごいことだなぁって、本当に、ショックを受けた。

面白い映画。

創りたい。

本当に作りたい。


「セブンガールズ」映画化プロジェクト
2016年2月22日(月)ゾロ目の日 23:59 終了
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 22:31| Comment(0) | 公開中! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする