2016年01月03日

【公開10日目】進め進め一歩でも先に。

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「お相手してあげても良くてよ」 2015 前方公演墳/「劇」小劇場 
撮影 SKY 
お正月三が日がもうすぐ終わる。
公開してから10日目。
毎年思う事だけれど、正月ってあっという間に過ぎる。
このままいくと、あっという間に2月で、あっという間に舞台で、あっという間に終了日だ。
もし、このままだったらどうしようと思うと冷や汗が出る。

今年は4年に一度の閏年。
2月は29日まである。
オリンピックイヤーでもある。
なんというか、特別な年という感じがする。

2012年。前の閏年の今頃を思い出す。
劇団のオフィシャルブログにも書いていないエピソードだ。
劇団員もほとんど誰もそのことについて、喋ったり書いたりしていないと思う。
だから、殆どの人が初耳だと思う。
おいらは、劇団の反省会で、劇団を辞めると発言していた。
丁度、この正月の前後だった。

10周年を境に、劇団員が大量に辞めていた。
最大で若手を含めて60人も在籍していた劇団前方公演墳は20人近くまで減っていた。
中型ホールで公演をしていたけれど、小劇場まで規模も一度落とした。
その頃、運営費の管理を任せていた方から、2年ぐらい公演を休んで欲しいと頼まれた。
劇団の運営費が逼迫していたからだ。
現実的に劇団の解散がありえるという状況だった。
けれど、公演を休めばもうそれは劇団とは言えない。
おいらは、全員の前で自主公演の提案をした。
運営費など、全ての面で自分たちで公演をする。
それで、まだ赤字続きなら休むしかない。そういう覚悟だった。
裸からもう一度やり直してやる覚悟だった。
不明な会計や、不要な費用を、出来る限りなくしていった。
結果的に、劇団前方公演墳は持ち直し、その公演以降、全て運営費も自分たちで管理するようになった。

そんな中。陰だけではなく、実際に耳に届く言葉が増えていった。
劇団前方公演墳はもう終わっている。
劇団前方公演墳に残っている役者は惰性で続けているだけなんじゃないか?
辞め時を間違えただけなんじゃないか?
そんな言葉を実際に口にする人までいた。
おいらは、憤慨していた。
正直に言えば、激怒中の激怒だ。
勝手なことを言いやがって。ふざけんな!と思ってた。

解散の危機から持ち直した直後の頃。
とりあえず、公演を続けられたらいいという雰囲気が流れていた。
停滞することが何よりもおいらは大嫌いで、正直、その場にいるのも辛かった。
辛いのに誰になんて相談しても、軽い言葉しか返ってこなかった。
大きな危機を脱した後の、エアポケットだったのかもしれない。
おいらは、その次の日には事務所に掛け合って、劇団員にオーディションを探してくれとお願いをした。
父親の死もあってのことだけど、次のステップに進むにはそれしかないと思ったからだ。
直接の仕事じゃなくていいから、オーディションを誰でにでもいいから持ってきてくれと頼んだ。
半年経って、結果が出ないなら、僕が辞めるのでお願いしますと頼んだ。

結果、半年間で劇団員全員でオーディションは1つしか来なかった。
持ってこれない。ごめんな。と言われた。
それは仕方ないことだし、怒るようなことじゃない。
そもそもそういう事務所じゃないんだということだった。
おいらは、事務所まで行って、辞めることをきちんと伝えた。
社長もちゃんと理解してくれた。
劇団は事務所預かりだったから、劇団にそのままいることは難しいと思った。
だから、劇団も辞めると皆の前で発言した。
別に芝居を辞めるつもりはなかった。
ただ、停滞する自分というものを想像が出来なかった。

デビッドさんと劇団員に説得をされた。
デビッドさんは、10年以上一緒に芝居をした仲間なんてもう作れないぞとおいらに言った。
悩んだ。
仲間が何よりも大事なことはわかってて、動き始めたことだったから。
でも事務所を辞めて、劇団に残るということが、許されるとも思ってなかった。

劇団員の前で、停滞したくないんだと言った。
なぜ、誰も劇団の15周年をどうするか言い出さないんだ?
本当にこのままただ公演を続けていくだけでいいのか?
まだまだやれるのにやってないことがたくさんあるんじゃないのか?
たくさん、話した。
まだ悩んでいたけれど、悩んでいるまま話した。

停滞しない。
15周年記念公演を企画する。
下北沢に進出しよう。
とりあえず、小野寺は事務所を辞めたままの唯一の劇団員にしておこう。
そう話がまとまっていった。
それが、前の閏年。2012年の話だ。

あれから4年。
念願だった下北沢演劇祭にも参加することになった。
いずれ立とうと思っている本多劇場はまだ影も見えないけれど。
15周年記念公演から今日まで、様々な動きがあった。
そして、その延長線上に、このセブンガールズ映画化プロジェクトも立ち上げた。

ずっと。
ずっとだ。
身をよじっている。
4年前からじゃない。
もっとずっと前から。

終わってるとか、言ってた奴。見てろよ。
惰性とか、思ってる奴、驚くなよ。
辞め時だって?
ハナっから、芝居辞めようなんて思ったこと、一度もねえわ!
ふざけやがって。
バカヤロウ。
今に見てろよ。
どんどん前に進んでたんだって、驚かせてやるから!


そうやって、ずっとずっと、身をよじってる。
このプロジェクトは、おいらの最大のよじりだ。
これ以上はよじれられないぜ。

ここまで来るのに4年かかっただけだ。


「セブンガールズ」映画化プロジェクト
2016年2月22日(月)ゾロ目の日 23:59 終了
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 20:19| Comment(0) | 公開中! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする