「小さな希望」 2015 前方公演墳/「劇」小劇場 撮影 SKY
劇団員の数人が舞台「怪獣の教え」のスタッフに入った。
先日発表した美術監督の杉本亮さんがプロデューサーということで、いつもの恩返しをした。
杉本さんは、ご縁から、劇団前方公演墳の美術をやってくださっている。
舞台に触れるうちに、自分でも舞台を企画できないかと思いついたのだという。
はじめは、周囲の反応も微妙だったようだけれど、持ち前のエネルギーで見事舞台を成功に導いた。
不思議なことだけれど、時を同じくして、映像の現場スタッフに触れ合ううちに、映画を作ろうという企画が立ち上がった。
舞台畑と映像畑がクロスオーバーして、お互いがお互いに、違う畑に踏み込もうとしたことになる。
「怪獣の教え」は、ライブシネマとうたっていた。
舞台演劇ではあるけれど、作・演出の映画監督、豊田利晃さんが、その後ろのスクリーンに映像をリアルタイムにコントロールして投影していた。
演劇ではあるけれど、映像的アプローチを多く使っていた。
とてもとても面白い試みだった。
だからきっとこれと同じことが出来る。
ステージシネマを作ることが出来る、そう思った。
映画の中に演劇的なアプローチを入れるのはそんなに新しいことではない。
新しいことではないけれど、とても面白い試みだと思う。
デビッド・宮原が、舞台を映像化するならどうするのか。
そんなことを思った。
今回、改めて思ったのは、映画監督という肩書を持つ人の多彩な才能だ。
絵画の素養があったり、音楽に博識であったり、あらゆる芸術を網羅している方が多い。
それはきっと、映画を作るのは、映像、美術、音楽、演出、全てが必要だからだと思う。
そして、カリスマ性。
演者だけではなく、多くのスタッフの座頭になる。
それは簡単なことじゃなくて、才能だけではなく、もっともっと大きな存在感が必要なのだと改めて知った。
おいらは、それがデビッド・宮原にはあると信じている。
そして。
何よりも学んだのはやはり、「情熱」だ。
プロデューサーの杉本さんの情熱がなければ、実現すら不可能だった。
様々な困難にぶつかったはずだ。
それを、時には苦しみながら、時には笑い飛ばしながら、進んだはずだ。
その覚悟が自分にあるのか。
改めて問うことになった。
問いながら。
同時に。
実現するのだ。
そう、改めて思った。