2019年02月18日

情熱の交差

稽古場に向かう。
諸々準備して監督到着と共に今日はミーティングを主に。
横浜に向けて何が出来るのか。
新しい展開はどんな可能性があるのか。
セブンガールズは、そうやっていつも最終的にオープンに話し合う。
意見は拾い集めていく。
全てに耳を傾けて、どこかに偏らないように注意深く。
結局、最終的にはいつだって、頑張ろう!で終わるのだけれど。

手間のかかること、面倒なこと、それを結局どこまで楽しめるのかなのかもしれない。
考えてみれば映画製作やら舞台制作やら、まぁ面倒なことに真剣に取り組んできた集団だから。
楽しみ方は知っている。
笑っちゃえばいいとわかってる。

ミーティングが終わってすぐに別の作業に入る。
短い時間だったけど、あっという間に皆がケラケラ笑いだす。
さっきまで真剣な顔をしていても瞬間に切り替わる。

いつものように近くの店に呑みに行こうかと思っていたけれど。
どうせならと先日下北沢に来てくださった居酒屋にふらりと立ち寄ることにした。
カメラを止めるな!に近い方々が足を運ぶ店でポスターなどが貼ってあるらしい。
お客様のツイートでそんなお店があると知っていたのだけれど、そちらの店長さんが足を運んでくださった。
まぁ、お忍びであとで写真でも載せて、実は行ってた的な漠然とした計画。
カメラを止めるな!を観た面子で、そこで飲むのも面白いだろうぐらいの軽い気持ちで。

席について最初のオーダーで店長さんにあっさりとばれてしまった。
不覚。そういうつもりじゃなかったので少し焦ったけれど。
たまたま日本アカデミー賞優秀賞を受賞された録音部のスタッフさんと。
シネマロサで3月に上映する、さらば大戦士トゥギャザーVの監督さんとスタッフさんがいらっしゃった。
期せずしてミニシアター3作品の、監督、キャスト、スタッフさんが揃うという。

数年かけて映画製作してようやく公開にこぎつけた映画監督。
素晴らしいなぁと嬉しくなった。
録音部のスタッフさんはベテランさんで経験豊富だから様々な体験談が出てくる。

ミニシアターの世界にも横の繋がりがあるという話は興味深かった。
カメラを止めるな!の上田愼一郎監督とずっと一緒にやって来たんですよと。
お互い切磋琢磨して、作品を産み出している。
片やそれが大ヒットに繋がり、片や刺激を受けて初公開に向かう。
面白いから、色々と聞いてみた。
公開に向かってどんなことをしているのか。
どんな映像を撮影していきたいのか?
劇場映画の監督になっていきたいのか?
酒の席だから、あまり遠慮するのもつまらない。
折角、交流するならどんどん話を聞いた。

自分よりも一回りも年齢が下の映画監督が夢を持っているということに酔った。
当たり前だけれど、当たり前じゃない。

聞けば、鐘を打ったように返ってくる。
そしてそこにスタッフさんの言葉も乗ってくる。
気付けば、ベテランスタッフさんが一番真剣な顔で話していたりする。
なんだか、演劇畑の懐かしい空気を吸っているような気分だった。
無名の舞台俳優でしかないけれど。
同じ創作に向かっている人の言葉は刺激的だ。

帰り道。
出会いという刺激と。
今日話したことについてポツポツと考え始める。
さて、どこから手を付けていくか。
何の計画を立てていくのか。
皆が思っている数倍のスピード感で対応していかなくちゃいけないんだろうなぁと思う。
少なからず予定を組まなくちゃいけない案件が増えた。

情熱は裏切らない。
そんな言葉が自分の口からついて出た。
それがどんな結果やどんな答えだとしても。
望んだような結果が出なかったとしても。
その情熱は必ず何かを自分にくれる。
なんにもならなかったと思えたとしても、目を凝らせばわかる。
今はわからなかったとしても、いつかわかる。
情熱が裏切るわけがないのだ。

カメラを止めるな!のヒットを自分なりに考えたり、遠くから眺めていたけれど。
この近い距離感でそれを感じていた人たちに触れたことは想像以上に大きい経験になった。
面白い。
とっても面白い。
何年もかけて公開まで進んだ情熱は絶対に何かを残しますよ!と力説した自分は。
もしかしたら自分に向かって言っていたのかもしれない。

ミーティングの内容を反芻しながら。
話半分で出たような冗談のような企画まで頭の中で整理した。
事務的で整然と淡々と整理しなくちゃいけないのだけれど。
実際には自分の中にもっともっと熱い情熱があるんだなぁと自覚せざるを得なかった。

ベテランスタッフさんがチラシを観て驚いていた。
この時代の空気を良く作ってる!と。
全部、自分たちで創ったんですよ、と伝えるとそれには驚愕していた。
若い監督から「DIY的な!」と声が出た時、ちょっと答えるのに窮した。
DIYなんてレベルじゃないからだ。
でも、そんなことを話してもきっと、信じてもらえない。
床から、柱から、全部作っただなんて。

同じことだ。
床から、柱から、全部作るだけさ。

あらん限りの情熱を込めて。
誰にも信じてもらえないようなことを。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 03:26| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月17日

心にガソリンを注ぐんだ

トリウッド最終日が明けて、もう一度下北沢に向かった。
原宿シカゴ下北沢店にお借りした衣装の返却が残っている。
映画の上映が終わる時間には閉店してしまう。
登壇メンバーの衣装を返却するまでが自分の仕事だ。
ファッションコラボの企画を立案して連絡して打ち合わせして、その全てが自分からだったのだから。
最期の返却と挨拶をしないなんてことはありえない。
何人かが自分が行こうか?と声をかけてくれたけれどやはり筋が違う。

いつもの上映時間とは違う明るい時間に下北沢に向かった。
土曜日の昼間の下北沢は人がごった返していた。
チーズ料理のフェスティバルが始まったようだ。
カレーフェスティバルや、演劇祭、映画祭。
様々なイベントが町全体で行われる街だ。
音楽祭はないのかな?これほどライブハウスがあるのに。
いつもの道を歩いているけれど、いつもの風景とは違うし、いつもの呼び込みもいない。
明るいキラキラした街だった。

シカゴは混雑していた。
たくさんの人が古着を手にして笑っていた。
デート中だったり、友達とだったり、一人だったり。
掘り出し物や、かわいい洋服を探していた。
衣装を返してお礼を伝える。
コラボように作成したカードの残りを回収する。
まだ少し残してくださいなんて言ってくださる。
少しの間かもしれないけれど、まだセブンガールズのコラボカードを置いてくださるという。
残ったカードの半数近くを回収してお礼を伝えてシカゴを出た。
また、ここに来るだろう。
舞台があれば衣装を探しに。

帰宅の道すがら、一つ一つ今からやることを確認していた。
横浜に向けて、ポスターはある。
チラシは増刷が必要だけれど、白帯にするか、映画館に特化するか。
チケットを創る必要性があるかないか。
現時点でどんなプロモーションが可能か。
上映時刻によって、登壇イベントが出来るだろうか。
横浜という港町にとって、この映画が強い意味を持つことをどう考えるか。

横浜であれば、チラシやポスターを貼ってくださるお店を探しに行きたい。
宣材が揃った段階で行けるメンバーで行くしかないのだけれど。
噂のパン屋さん「カメヤ」にも行ってみたい。
終戦直後の歴史が刻まれた場所にも足を延ばしたい。

だからと言ってあまり頭を固くして考えすぎてしまうとまずい。
トリウッドまで9月末から、毎月どこかで上映を重ねてきたのだ。
今、発表されている上映館で考えれば、3月4月と上映館がないという事になる。
けれど、それが確定かどうかなんてわからないのだ。
どこかで何かが繋がって急に上映が決まることだって充分にあり得る。
そうなる可能性まで含めて検討を重ねないと、対応できないことがあるかもしれない。

それでも横浜での上映がビッグニュースなのは変わらない。
全国のミニシアターの中でも、シネマ・ジャックアンドベティはトップの人気の映画館だ。
映画館の会員も数多くいらっしゃる。
毎月、直接映画ファンと支配人さんのイベントなどもやってらっしゃるようだ。
地域に根差した、熱い映画ファンが多い映画館。
それに2つのスクリーンで凄い数の作品を上映している。
先々までぎっちりと上映する作品が決まっているような大人気劇場なのだ。
そこでセブンガールズが上映されることはどう考えてもビッグニュースだ。
立ち見が出るほどの人気になるにはどうしたらいいのかなぁなんて考えている。
そういう最高の状況にするためにはという基準で考えなくてはいけない。

前日、トリウッド最終日を終えて、打ち上げのあとの帰り道。
配給の担当さんがポロリと口にした言葉。
「いつかセブンガールズを有楽町で上映したいんですよねぇ」
そんな言葉をふと思い出す。
この映画は「有楽町駅」から始まる映画。
そして終戦直後の有楽町が舞台となった作品だ。
その有楽町は映画館の本丸だ。映画の街だ。
多くの映画会社の本社が近くにあり、歴史に残る映画館が立ち並ぶ。
どの映画館も大きすぎて、とてもじゃないけれどセブンガールズのような小さな映画をかけてもらえるわけがない。
そこにもし行けるのだとすれば一体いくつの階段を登り続けて、いくつの壁を打ち破った時だろう?
数百の客席が埋まるほどの映画にならないと行けるわけがないのだ。
けれど、それが言葉になって出てきた。
人が言葉にしたものは全て実現できるんだよ。
言霊はいつか人を動かしていく。
夢のような話さ。夢のようにつぶやいた言葉さ。
それでもいいじゃないか。

だって横浜で上映出来るんだから。
作品が完成した頃。
口にしたんだよ。
横浜ジャクベで上映して欲しいよなぁって。
それが実現しているんだから。

不思議な話だ。
現実的なチラシの印刷や、チラシの配布を考えると。
いつも頭の中で夢の話も浮かんでくる。
現実はいつだって夢というガソリンで動いてる。
目の前でやらなくちゃいけない事は余りにも地道で、あまりにも孤独な作業が多いって言うのにさ。
頭の中はそんなもんじゃないのさ。

横浜 シネマ・ジャックアンドベティのホームページにセブンガールズのページが出来ていた。
仕事が早いと、感動してしまった。
早速、自分なりにFacebookコメントを残してきた。

心にガソリンを注ぐんだ。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 04:03| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月16日

公開59日目

下北沢トリウッド最終日
ああ、これで現在発表できる上映が終わってしまう。
そういう日だった。

けれど実は数日前に確認をしていた。
最終日までに何か告知できることとかないでしょうか?と。
返ってきた答えは「残念ながら」という言葉だった。
もちろん、当たっている映画館があることは知っていたけれど。
時間がかかりそうだというのもわかっていた。
その時、自分の返信は
「金曜ギリギリまで待ちます」だった。

だから今日一日。
何回、メールの送受信ボタンを押したかわからない。
LINEを何度開いてみたかわからない。
スマフォか短く震えるたびに、即確認をした。
それでもやっぱり何の連絡も来なかった。
映画館には当たっているのだから後日発表だっていいのかもしれない。
それでも最終日に応援してくださる方々に何かを届けたかった。

いつものように下北沢に向かう。
スマフォを握りしめて。
打ち合わせをしている間も実は心ここにあらずだった。
例えギリギリでも連絡があれば、発表方法をその場で決めなくてはいけない。
それでもやっぱり何もなかった。

下北沢トリウッドに到着した時。
トリウッドの担当者様が、配給の担当さんが客席に来ていると教えてくださった。
一瞬で心臓が破裂しそうになった。
何かあるかもしれない。ないかもしれない。
わからないけれど、わからないけれど。
配給さんが来ていることを監督に伝えようか悩んで、何も言えなくなった。
期待させて何もない可能性だってある。
勝手に自分が思い込んでいるだけだからだ。

最終日の登壇は笑顔で進んだ。
とても最終日とは思えないような明るさを持っていた。
しんみりなんかしたくないという自分たちの思いだ。
それでいいと思っていた。
カメラを構える自分のすぐそばに配給の担当さんがいたけれど、目を合わせてくれなかった。
なんで目を合わせてくれないのだろう?
どんな意味があるだろう?
そんな疑問を打ち消しながらシャッターを押し続けた。

スマフォを最後に確認してから、時間の合図を送る。
30分もゆっくりと話せるイベントは下北沢トリウッドならではだった。
その最後の数分が迫っていたからだ。
3人が立ち上がろうとしたとき、ふいに影が動いた。
配給担当さんがそのまま客席通路を進んで監督にメモを渡した。

横浜ジャックアンドベティ、5月上映決定が発表された。

登壇メンバーも、お客様も、一斉に喜んだ。
見学に来ていた女優は既に泣きじゃくっていた。
おめでとう!といういくつもの声が重なっていた。
終わらなかった。
セブンガールズはまだ終わらなかった。
平成が終わった後も上映が続くとわかった。

喧噪の中、いつ決まったのか聞きに行った。
決定して情報解禁がOKとなったのが当日の夕方だった。
いつも自分に最初に連絡が来るから、今回は最初に監督にという配給さんとプロデューサーのサプライズだった。
ロビーは活気にあふれていた。
お客様も出演者も、誰もが笑顔で、誰もがおめでとう、ありがとうと口にしていた。
横浜に近いお客様は目に光るものがあった。

下北沢の打ち上げに行く。
配給の担当さんが今宵のスターだ。
この担当さんはセブンガールズを心から応援してくださっている。
映画館で何度も観ていただいているし、プライベートでご友人にセブンガールズを勧めてくださったりもする。
下北沢トリウッドが決まったのも、この担当さんの思いからだった。
実際に配給を担当してくださる方がここまで作品を愛してくださるのはミラクルだ。
感謝という言葉では表現が出来ない。
仕事という範囲の外でセブンガールズに時間をかけてくださっている。

多くのお客様にも言われたけれど。
登壇した金子透にも聞かれた。
「小野寺も知らなかったの?」
知らなかったよ。信じていたけれど。本当にさっき決まったんだってよ。
そう答えた。
そこでお客様に聞かれたときは、すごいですねぇ!と感心されたのだけれど。
金子透の返しは違っていた。

「お前は諦めないなぁ」

今日までに何かが決定する可能性なんか数%だったかもしれない。
それでも自分は確かに幕が閉じる瞬間までスマフォをポケットの中で握りしめていた。

自分が作品の力を信じないでどうする?
監督も出演者も自分のことになると、大丈夫か?と自問自答をする。
表現に関わっている人はそんなものだ。
だからこそ自分だけは、この作品の力を信じ切る。
そう決めている。

程よく美酒に酔って帰りの電車に乗る。
金曜の夜。
ラッシュアワーのようにぎゅうぎゅうの満員だった。
ふと一人になった時、急に泣けてきた。
暖かくなった頃。
あのTシャツを着たお客様が溢れている客席を想像してしまったからだ。

帰宅してHPやSNSの更新をした。

下北沢トリウッドの上映がこうして終映した。
足を運んでくださった皆様、下北沢トリウッド様、ファッションコラボをしてくださった原宿シカゴ様。
2週間という短い期間でしたが、ありがとうございました。
ここでしか出来ない日々を過ごすことが出来ました。
あの距離間で、あの洋服で、あんな話が出来る機会はもうないかもしれません。
素晴らしい2週間でした。

下北沢という街と。
その日々に。
感謝を込めて。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 04:21| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする