2018年10月21日

まとまっていくライン

監督と待ち合わせて編集に向かう。
編集素材を前日のうちに同期しておいて、タイミングなどずれないようにしている時だった。
撮影したはずのデータが2つほど、みつからない。
いずれも、同じメモリーカードに入っているはずだった。
けれど、そのメモリーカードだけファイルがどこにもない。
プロパティを開けば7GB近いデータが入っているはずなのに、見えない。
データは損の可能性があると思って復旧ソフトで中を覗いてみると。
データが壊れていることが分かった。
撮影時にメモリーカードの入れ替えや撮影助手についてもらったメンバーに相談。
カメラにもう一度入れて、カメラ側で復旧できる可能性があるという。
急遽、カメラを持ってきて、カメラについていたケーブル類を持ってきてもらうことにした。

監督と三人で編集の準備に入る。
その間、データ復旧が可能か確認してもらう。
大きなモニターで映像が確認できるいつもの、コワーキングスペース。
PCに詳しいオーナーにも相談してみる。
けれど、結局、そのデータの復旧は出来なかった。
だとすれば、もう、残っている素材のみで映像を作成するしかない。

どんな構成にするかまでは聞いていなかったけれど、想像はしていた。
恐らく、その壊れたデータを基礎にするはずだと。
抜きカットで使用する予定だったら断念すればそれで良かったけれど。
さて、どうしましょうかねぇと話しながら、編集を進める。
一服した時に、ふと、思いつく。
今回の舞台はDVD作成用に撮影業者に入っていただいていた。
そこのデータをいくつかもらえるかもしれない。
そのまま電話連絡をしてみると、担当者さんが快諾してくださった。
地獄に仏じゃないけれど、考えたらすぐに行動。すぐに連絡すれば、何か抜け道は見つかるのだ。
いつもの通り。
すぐにデータを送ってくださるとのことだから、それが届くまで粗編集をしましょうという事になった。

監督はモニターチェックを繰り返す。
自分はそれをどんどん切って貼っていく。
監督が映像を観ている間も、ちまちまと整理を重ねていく。
6本あった映像ラインが、どんどん1本に纏まっていく。
データ修復のために来たメンバーは、ただ見ているしか出来なくなっていた。

丁度、粗編集を終えた時に電話が鳴る。
まるで観ていたかのようなタイミングでデータが届いた。
すぐにダウンロードをして、データを取り込む。
取り込んだデータを編集素材にしていく。
明るさや色が合わない部分は微調整で対応していく。

決めていた時間までに、予定したところまで編集が終わる。
これをさらに仕上げて、確認してもらってといういつもの工程が続いていく。

監督が希望を出して、即対応するそのテンポ。
多分、すごく早いと思う。
長い芝居なら、ある程度の粗編集だけれど、短い映像だと、1秒ないような映像を繋いでいく。
自然と細かい切り貼りを繰り返していくわけで、即対応しないとどんどん進んでしまう。
出来上がったタイムラインを確認すると、ものすごく細かく切り貼りしてある。
一つの作業をしながら、同時にもう一つの作業をするぐらいじゃないと対応できない。
エディターというのも大変な仕事だよなぁと思う。
別にプロのエディターじゃないけれど、最初に編集したのが映画だから、対応できるのかもしれない。

さてさて。
公開できるのはいつになることやら。

どんどん、色々なラインを進めていけばいい。

やがて、そのラインは一つになっていく。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 10:56| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月20日

普通じゃないと言われても

広告の世界には前パブとか後パブと呼ばれる概念がある。
いわゆる事前の広告と、事後の広告。
基本的に興行の世界では、演劇であれ、映画であれ、前パブのみという事が多い。
なぜなら興行の場合は、興行が終わればその後の利益はないからだ。
再び二次使用する場合はその後に再度、前パブが行われる。
例外としては、タレントの名前をあげるとか、監督の名前をあげるとか。
そういう特殊なケース以外にでは、基本的には、上映終了後の広告などあり得ない。

けれどセブンガールズは関東の上映が終わった今こそ、広告展開を強化するべきなんじゃないかと思う。
作品の名前を今こそ、さらに広げるべきだと感じている。
いや、むしろ前パブがそこまで必要なかったとすら感じている。
なぜなら、K'sシネマでの上映は満員御礼だったからだ。
前売券があっという間に完売したからだ。
上映すると決まった時点で、実はある程度のキャパシティは埋まっていた。
もちろん、宣伝をしたからこそなのだけれど、その宣伝はキャパシティオーバーしていたことになる。
そのおかげで、観たくても観れなかった人たちがいるのだから、それは大成功だったとも言える。

じゃあ、なんで後パブが必要なのかと言えば。
実際にそのことを知らない人が多すぎるからだ。
前売りが3日で売り切れたことも、K'sシネマで満員が続いたことも、UPLINKでレイトショーをしたことも。
そして、これがどんな作品で、どういうものなのかも。
なんとなく、噂を耳にしているという層が一番多いのではないだろうか?
セブンガールズって作品、どうなの?っていう人は意外にいると感じている。

観てくださった方々が、もう一度の関東上演を強く希望してくださっている、
とっても嬉しいし、感謝してもし足りないくらいだ。
そういう声がどんどん上がっているというのは、すごいことなんだと思う。
けれど、落ち着いて考えれば、それだけで関東再上映を待っているのはダメなことだと思う。
何故なら、鑑賞いただいた皆様の中で再上映を希望している方の割合が仮に2割だったとしても。
次の上映では、全回の上映の2割しか動員できないという宣伝になってしまうからだ。
仮にもう一度観たいという方が2回観ても、友達と一緒に来たとしても、半数以下に落ち込む。

映画館で聴いた話だと、物販のパンフレットの売上が、凄い好成績だった。
通常は観客動員数に対しての販売数は、10%前後で、10%以下の場合が殆どなんだそうだ。
それがなんと、通常想定される倍以上の部数が売れたのだという。
UPLINK渋谷では、用意しておいたパンフレットが展示品含めて完売をした。
舞台の会場でもまだパンフレットは売れ続けていたわけで。
これはつまりすごいことなのだと思っている。
映画を鑑賞した後に、もう一度、家で映画を反芻してくださっている方が想像以上にいらっしゃる。
けれど、それは、映画を鑑賞していただいた皆様にしかわからないことなのだ。

きっと関東再上映を目指すのであれば、そういうことがちゃんと周知されて行って。
思わずパンフレットを手にしたくなる映画ってどんな映画だろう?とか。
なんだか映画が終わっているのに盛り上がっているのは、なんでなんだろう?とか。
余韻が続く映画って、どんな映画なんだろう?とか。
今の何倍も周知していった先にしか、関東での再上映なんかないんじゃないかって思うのだ。
もちろん、再上映が決まれば、再度宣伝を強化していかなくちゃいけないのも確かだけれど。
決まる前のこのブリッジのような期間に、きちんと、考えて後パブをするべきだと自分では思っている。
宣伝体制がしっかりしていないミニシアターの作品では、非常にその部分が曖昧というか甘い。
それは演劇にも言えることだけれど、終わってしまうと、もうお客様の感想を待っているだけになってしまう。
それだけではきっと、本当はいけないのだ。

まずは、Youtubeに公開前にアップした動画を、TwitterやFacebookなどのSNSに公開して行くことにした。
公開前はYoutubeにアップして、そのリンクを貼っていた。
理由はシンプルで、動画専用じゃない分、どうしても圧縮率が高くて画質が落ちてしまうのが厭だったからだ。
やはりどうせなら美しい映像で、PVを楽しんでほしかった。
でも、今はYoutubeにもあるし、HPからも観れるようにしてある。
画質よりも、まずSNSに公開して行くことの方が良いと思った。
通常の映画であればきっと公開後にPVを出していくなんてことはあり得ないんだろうなぁと思う。
それをあえてするのは、TwitterやFacebookで、鑑賞して頂いた皆様が、映画を思い出してくださるようにだ。
思い出を喚起して、例え一言だとしても、このシーン好きだったとか出てくるかもしれない。
TwitterやFacebookは、テキスト主体のSNSなのだから、そのテキストを産み出すようなツールが必要だと思ったのだ。
そこから興味を持って、Youtubeに移動してくださることもあるかもしれない。
公開前の動画だったから「9月公開 K'sシネマ」の部分だけを差し替えて、それぞれに最適な書き出しをするだけだ。
そのぐらいならあっという間に出来るはずだ。

そしてそれは、大阪に向けての広告にもなっていく。
東京でどんな評判の映画だったのかが、関西に伝わる。
都内で普段活動している劇団なのだから、関西でどれだけお客様が来るかなんか想像も出来ない。
チラシを撒くこともポスターを貼ることも、それほど出来ない。
だとしたら、ネット上で、少しでもわかりやすくしていくしかないと思っている。

これまでにあげたPVが全て尽きても。
その後もうっすらと考えている。
例えば、予告編のボツバージョンも、実は全て保存してある。
あ、こんなバージョンの予告編もあったんだ!という楽しみ方が出来るものだ。

勝手にシンパシーを感じていた、映画「この世界の片隅に」。
同じ終戦の時代、同じようにクラウドファンディングが大きな役割を果たして、その時代の日常を描いている。
なんというか、とっても近さを感じているのだけれど。
その30分拡大版の「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の12月公開が延期になったというニュースが流れた。
150分近い映画を既に12月にプログラムしていた映画館が日本中にきっとあるはずだ。
急にそこが空いたとしても、他の映画の上映予定があるから、どうってことないよという場合もあるかもしれない。
でも、もし、そこで枠が空いてしまったのであれば、もしかしたらセブンガールズ再上映のチャンスかもしれない。
「この世界の片隅に」のファンの方にも是非鑑賞してほしいと思っていたから、なんだか不思議な感覚がした。
けれど、各映画館の編成担当さんが、セブンガールズをなんとなくタイトルしか知らないのだとすれば。
そのチャンスはないという事になってしまう。

今が大事なんだと思う。
大阪への宣伝だけではなく。
きちんと、やっていくこと。
関東上映が終わってからのPVなんておかしいよと思われたとしても。
これは正しい道だと信じていくしかない。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 11:05| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月19日

真っ赤な鉄

大阪登壇のメンバーが固まる。
映画館にも提出が出来た。
後は、HPに正式に掲載されたらという感じだろうか。
登壇メンバーの発表も、もういつでも出来る。
それにしても、大阪の一週間も毎日登壇になるとは驚いた。

ほぼ都内で活動しているのだから。
たまたま関西にいるというケースや、地元に帰るというケースもある。
関西方面の知り合いが観に来てくれるから、顔を出したいというケースもある。
けれど、それ以外は、皆、自腹でもいいから行きたい!という立候補だった。
まだ見ぬお客様に会いに行く。
上映規模によっては、地方だってどこだって交通費や宿泊費が出るけれど。
それがないのに、それでも行く!というメンバーがここまで揃うというのはすごいことだと思う。
実際、登壇してどのぐらいお客様がいるのかも、いや、そもそも土地勘すらない。
電車の路線図を観ても、何が何だかもわからないのに。

東京の上映が終わって、舞台が終わって。
それで、何かが終わったような雰囲気になっていない。
むしろ、鉄が熱くなっているような感覚。
さあ、今、打たないと鉄が固まっちゃうぜ!という感じ。
例え関西でも行こう!という意欲は、その赤くなった鉄のような勢いが生み出している。

K'sシネマでの限定一週間上映が決まって。
特別鑑賞券がわずか3日で完売になって。
勢いのまま、当日券も含めて連日の満員御礼。
しかも、その週のうちに、次週のUPLINK渋谷のレイトショーが決定。
急なレイトショーの決定にもかかわらず、6日目の木曜には完売を記録。
更に同時期に関連作品の舞台公演が大成功に終わっている。
終わって数日経つというのに、余韻が今も残っていて。
東京再上映を望む声が、日々上がってくる。

もちろん、まだまだ多くの映画ファンの中のごく一部なのかもしれないけれど。
見逃している人も含めて、セブンガールズが待たれている状況なのは間違いがないと思う。
中には、友達に勧めたいのに上映館がない!というツイートまであった。
この声はきっと、映画館に届いているはずだ。
今、うちでやります!と手を挙げれば、ヒーローだというのもわかっているはずで。
それでも、上映予定が既に組まれていたりすれば、144分という長尺だと中々難しいのだと思う。
K'sシネマに凱旋だってしたいし、UPLINK渋谷に凱旋だってしたいけれど。
その先のスケジュールを観れば、その隙間がないことは一目瞭然なわけで。
実際、カメラを止めるな!もK'sシネマでの最初の6日間限定上演から、2週間上演まで半年も掛かっているのだから。
まして、秋が過ぎれば必ずやってくる年末年始。正月映画。
そういうスケジュールに食い込むことって本当に出来るのだろうか?って思う。
映画と舞台という相乗効果で、ちんちんに熱くなった鉄を打つなら今しかないと思うけれど。
同時に冷静に、それが本当に出来るのかなと考えたりする。

これからも話題作は目白押しなわけで。
面白い作品がどんどん出てくるはずだ。
そういう中で、セブンガールズの余韻が少しずつ消えていってしまったとしたらと考えたりもする。
そもそも規模が小さい企画なのだから、そんなの気にしてもしょうがねぇか!なんて気楽な自分もいるけれど。
セブンガールズが待たれているという状況がそういう中でどういう風に変化していくのだろう。
大阪と名古屋が決まっているから、話題が消えることはないのかなぁ。
全てが初の体験なのだから、不安にもなるし、逆に期待も高まってしまう。

ただ言えるのは、このまま上映館が増えずに終わっていく映画とはとても思えないという事だ。
どんな映画だって、高評価の声は上がるし、応援する方が出てくるけれど。
セブンガールズを応援してくださる声の熱量は、違ってみえる。
当人だからだろうか?関係者だからだろうか?そう感じてしまうのは。

セブンガールズという作品は、最近の邦画ではとっても珍しい群像劇だ。
主役が誰とは、はっきり言えない作品。
強いて言えば、娼婦たちになるのだろうけれど。
むしろ、登場人物の中に脇役が一人もいない作品。
きっと見慣れない人もたくさんいると思う。
それでも、後半になるといつの間にか感情移入している自分がいるとの声を多くいただいている。
そんなお客様がもう一度、映画鑑賞すると一度目よりも感動してしまうのだという。
試写会を観ているのに、もう一度映画館で観たら号泣したというコメントまであった。
登場人物の把握をしてから観ると、更に感動が何倍にもなるということなのかもしれない。
群像劇だから、残る余韻も、あの子は・・・あの人は・・・と重層的にやってくる。
10人の娼婦と、それぞれの相手役と、時代を表現する役と、チンピラ一人さえ・・次々に重なっていく。
歯切れよく、あっという間にいくつものエピソードが折り重なっていく。
そんな作品は長編漫画ぐらいしかないんじゃないだろうか。
それを144分にまとめあげているから、2時間以上とは思えないという声まで上がってくる。

きっと、そういう奥行きが、お客様に届いているのだと日々感じている。
鑑賞いただいた方々の中には、もう一度観てパンフレットを熟読してからレビューサイトに投稿したいという方までいる。
情報量が多いから、一度だけでは感想を書きたくないなんてことが起きるだなんて!

なんという幸せな、ありがたい感謝の日々だろう。
ついこないだまで、誰もセブンガールズを知らない日々だったのに!
待たれているという状況がこれほど幸せな気分だとは思わなかった。
幾ばくかの不安を抱えながら。
けれど、同時に、まるで引き潮のように、大きな波がやってくるんじゃないかというようなそわそわした感覚。

「すんごい作品に出会ってしまった」

そんなコメントを目にした時、目頭が熱くなった。
鑑賞するだけじゃなくて、反芻して噛み締めてくださっている方がいらっしゃる。

行くよ。
例え、10時間も格安の高速バスに揺られたって。
例え、7時間近く車を運転したって。
大阪に向かうよ。
だって、そんな人がまた一人生まれるかもしれないんだから。

今週末には、早速、監督と別の編集に入る。
セブンガールズ関連の映像だ。

やれること、全部、やるしかないのだ。

それが、きっと、応えることだから。
posted by セブンガールズ映画化実行委員長 at 06:38| Comment(0) | 映画公開中 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする